「ウルトラマン」
「仮面ライダー」
「SDガンダム」

この3作品の並びにピコーンと反応する人、けっこう多いんじゃないかな。知らなくても、「ウルトラマンやガンダムがドッジボールやっているゲーム」と言ったら、わかるかもしれない。
通称「コンパチヒーローシリーズ」だ。

その「コンパチ」の新作、「ロストヒーローズ」(DSPSP)が先月発売されましたー。わー、おかえりー、パチパチ。

え、なんでおかえりかって? 「コンパチ」が活躍していた時代は90年代なんだよ。
よし、じゃあちょっとおさらいしとこうか。

「コンパチヒーローシリーズ」とは、「ウルトラマン」「仮面ライダー」「SDガンダム」の人気作品クロスオーバーもの(たまーに「戦隊もの」とか「マジンガーZ」とかも出る)。
知らない人は、「ウルトラマン」と「仮面ライダー」は特撮、「ガンダム」はロボットアニメだよー、おかしくなるよー、って思うかもしれないけど、当時流行だったSD化を施した結果、まったく違和感なく見ることができた。

はじまりは1990年発売の「SDバトル大相撲 平成ヒーロー場所」。詳しい説明は省きますが、株式会社バンプレストがバンダイの子会社になり、杉浦幸昌がバンプレスト社長就任のための「ご祝儀企画」だった。いまネットで調べて知りました。


そこから人気が出て、「コンパチ」ものは増え続け、90年代を代表するシリーズになり、ジャンルもどんどん枝分かれしていく。大きくわけると、3つ。


●「バトルドッジボール」や「バトルレーサーズ」といった、「コンパチスポーツシリーズ」。

●悪の帝王・ダークブレインに戦いを挑むベルトアクションゲーム「グレイトバトルシリーズ」。「グレバト2」はめっちゃくちゃやり込みました。ふたりで協力しながらすすめることもできるんだけど、いかに相方を穴に落とすか(1機消滅)とか、すきを見て殴るか(味方も攻撃できる)ばかり考えてたなあ。悪いプレイヤーだこれ。
今年3月にPSPで発売された「グレイトバトル フルブラスト」は、約8年半ぶりの「コンパチ」新作(限定版には「バトルドッジボール3」も収録)。

●「ヒーロー戦記」「スーパーヒーロー作戦」というRPGもの。「ロストヒーローズ」はここに入るよ。

「スーパーロボット大戦」シリーズも「コンパチ」の派生作品。


「コンパチ」が増え続けていた90年代半ば、毎年のように新テレビシリーズが放映されていた「ガンダム」「ウルトラマン」はともかく、「仮面ライダー」をテレビで観ることは少なかった。
テレビシリーズは「仮面ライダーBLACK RX」(88年)から「仮面ライダークウガ」(00年)のように、90年代はぽっかり空いている。この間に誕生した新仮面ライダーは、オリジナルビデオ、もしくは映画作品の「真」「ZO」「J」だけ。

87年生まれで、当時10歳前後のおれは、ほんとど「仮面ライダー」に触れずに育ってきたので、「仮面ライダー」知識って、ほとんど「コンパチ」で知ったような気がするなあ。


90年代には約30本も発売された「コンパチ」シリーズは、2000年代には3本だけ。(2000年の「スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望」と、「特撮冒険活劇 スーパーヒーロー烈伝」。2003年の「チャリンコヒーロー」)。
「コンパチ」冬の時代。ですよ。
しかし、2012年、「コンパチ」熱が高まってきてます!

3月に発売された「グレイトバトル フルブラスト」。
「グレイトバトル フルブラスト」限定版に同梱されている「バトルドッジボール3」。
9月に発売されたRPG、「ロストヒーローズ」
と、「グレバト」「スポーツ」「RPG」と、「コンパチ」の主要ジャンルが勢揃い。

失われた空白を取り戻すかのような怒涛の新作ラッシュ。
そう、「コンパチ」が帰ってきたのだ!

ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンメビウス、ウルトラマンゼロ。
仮面ライダー1号、仮面ライダーBLACK RX、仮面ライダー電王、仮面ライダーW、仮面ライダーオーズ。

Ζガンダム、νガンダム、ゴッドガンダム、ウイングガンダムゼロ、ダブルオーガンダム。
新作、「ロストヒーローズ」主要キャラクターは、以上の15人。
それぞれ自分たちが住む世界から、突然謎の世界に飛ばされるヒーローたち。襲い掛かってくる怪獣、怪人、モビルスーツに、圧倒的なまでの劣勢を強いられる。なぜ、謎の世界に飛ばされたのか、なぜヒーローたちは力をロストしてしまったのか……というところからストーリーははじまる。

その設定はどことなく、かつて支持を集めたものの、いまは力を失ってしまった「コンパチ」シリーズとかぶるものがあった。
少しずつ力を取り戻し、事件を解決へと導いていくヒーローたちのように、「コンパチ」も力を取り戻し、また、シリーズとして続いていって欲しい。……そして、ZZガンダム使わせて!
(加藤レイズナ)
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