東京のどこかに爆弾を仕掛けた。場所は暗号を解けばわかる――。
謎男が出す、奇妙な文字と記号の羅列。悪戦苦闘しながら解くと、「35.68952」「139.6917」という二つの数字が出てきた。
なんだこれー、わからん!
デジタルネイティブなので、わからないことはすぐインターネットに頼ってしまう。まず一つ目の数字、「35.68952」を検索。…あれ、なんか地図が引っかかるぞ。………あー、緯度と経度だ!
iPhone4のマップアプリを立ち上げ、二つの数字を入力する。ぐいーんと寄っていく画面。画面に示される「東京都庁」の文字。爆弾の設置場所、わかったー!

これは、今年1/1の深夜にTBSで放送された「リアル脱出ゲームTV」視聴時の体験談だ。ドラマのストーリーの中に組み込まれた謎を、登場人物と視聴者が解いていく。特設サイトに64万人がアクセスし、31万人が謎解きに参加した。最終正解者は5711名(正解率は1.8%!)。

この第二弾「リアル脱出ゲームTV the Chase」 が4/5(金)の24:20に放送される!

「リアル脱出ゲーム」とは、ほんとうにざっくり言ってしまえば「リアルタイムで謎を解く」ゲームのこと。といっても、一問一答知識勝負のクイズではなく、体を動かしてヒントを見つけたり、他の人と協力することが重要になったりする(『相棒』の劇場版一作目なんかをイメージするとわかりやすいかも)。SCRAPがプロデュースするイベントは盛況で、チケットを取るのが難しいほど。最近では『ONE PIECE』や『名探偵コナン』ともコラボしている。
そんなリアル脱出ゲームが、テレビの世界に進出した。テレビといえば一方通行のメディアだ。テレビ番組で、「自分がこの謎を解いたんだ!」という感覚を得られるのか? もちろん、それを感じさせるためのさまざまな仕組みが作られていた。

・特設サイトで謎の答えを入力できる(時間制限あり。タイムリミットはテレビの画面に表示されている)。正解した人だけが、次の問題の解答権を得る
・ドラマの進行とともにヒントが明かされていくため、最初はまったくわからなくても答えを導ける
・上位正解者の名前を番組の最後に発表(エキレビ!ライターの杉村啓さんも名前が載ってました)

…などなど。Twitterを使えば、他の人と協力しあうこともできる。放送時はホットワードにリアル脱出ゲームTV関連の言葉が並び、「ここまで解けた!」「ヒントがほしい…」「どういうこと?」などなどの言葉が飛び交っていた。
『TIGER&BUNNY』のUST放送と同じで、一つの番組をみんなで共有している感覚だ。

リアル脱出ゲームは、リアルタイムで参加しないと楽しむことができない。それはテレビになっても同じだ。前回の放送では、デジタル放送のdボタンを利用した謎があった。録画組には絶対に解けない。4/5の第二弾も、同じような(あるいは、もっとパワーアップした!)謎が待っていることだろう。
リアル脱出ゲームTVを見てリアル脱出ゲームに興味を持った人は、神保町の書泉グランデで開催されている「本屋迷宮からの脱出」がおすすめ(会期は3/29~5/5)。ゲームブックを購入する形式のため、「行きたいのにチケットが取れないー!」ということがない。時間制限もゆるく、ミスしても何回もやりなおせるため、リアル脱出ゲームデビューにぴったり。謎解きに詰まったときに食べる「さぼうる」のランチ、めっちゃおいしいです。
(青柳美帆子)
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