世界で人気の高い日本人女性。欧米の男性たちは、清楚で慎ましく、気の優しい着物が似合うヤマトナデシコと解釈しているのだろうか。
最近は漫画やアニメなどの影響もあり、一層日本人女性が注目を集めている。筆者は世界各国を周遊していた経験があるが、やはり噂に違わず日本人女性の評価は軒並み高い。「君日本人?じゃあ日本人の女性と結婚できるんだ。いいなあー」などとは各国で聞いた台詞だ。

なぜこれほどまでに日本人女性が人気なのか。その原因は正直分からないが、東南アジアのベトナムに滞在した時、その答えが分かった。

ベトナムの若者の男性の間ではこのようなことわざがある。
「西洋の家に住み、中華料理を食べる。そして日本人の女性を嫁に迎える」
これはベトナム人男性の理想の人生像とのことだ。ベトナムは長くフランスの植民地下にあったため、高級住宅を見ると西洋風のヴィラが目立つ。また、1000年もの間中国から侵略を受けていたので、中国文化が色濃く、それは食文化まで影響を及ぼしている。

ここまでは歴史的背景から理解できるが、ではなぜ日本人女性が結婚相手としては理想なのかを考察していきたい。
理由は主に2つ。

最初に挙げられるのは、ベトナム人女性の恐妻ぶりだ。これはベトナム観光をすれば初日に分かる。公共の面前で息巻いて言葉を荒げていたり、市場で懸命に働いているのはいつだって女性だ。そんな気の強いベトナム人女性と日本人女性を比較すると、どうあったって日本人女性に軍配が上がるということだ。

2つ目の理由は、日本のテレビドラマである「おしん」の影響だ。90年代にはベトナムでもおしんが放映され、その人気ぶりは驚くほどだった。これにより、「常に旦那の一歩後ろを歩き、三つ指をついて帰りを迎えるのような女性」といった日本人女性像がベトナム人男性の頭の中で固定概念として生まれてしまったのだ。ちなみに、ベトナムでは現在でも、おしんと言えばメイドや家政婦を意味する。

さて、この2つの材料から日本人女性の株はまさに天井知らずに急上昇した。この記事を読んで、現代に生きる日本人男性、及び女性はいかがな感想を持たれただろうか。
「一度日本に来てみるがいい。
現実と理想のギャップというものが手っ取り早くよく分かる(25歳 男性)」
「ベトナム人男性は奥さんをとてもよく愛してくれると聞いているから、そういう人に好かれるのは嬉しい(28歳 女性)」

これはインタビューしたほんの一部の抜粋だが、日本人とベトナム人男性をそっくりそのまま入れ替えてみればいいのではと筆者は思う。どちらが先に音を上げるのかが見物だ。ただし、最近のベトナム人の若者は徐々に現代的な思考に移り変わってきたと言える。テレビや雑誌でも日本の東京が紹介されることは多々あり、渋谷を歩くいまどきの日本人女性を見て、ベトナム人男性衆は口をあんぐりと開けている。時代には常にニーズがあるということを、彼らはようやく理解し始めたようだ。

最近ではインドでもおしんが放送され、上々の評判だという話を聞いた。おそらくまた新たに間違った?日本人女性像を築き上げてしまうことだろうと、筆者は少々心配している。
(古川 悠紀)
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