インパクトがありすぎるこのにゃんこは、“ぶ顔”(ぶさいく顔)猫として人気を博しているヨウカンさん。飼い主のkachimoさんによるブログ『うちの猫ら』が話題になり、ブログ本などが発売されているほか、雑誌の猫特集にもたびたび登場。8月には東急東横線女性専用車両の中吊り広告に登場するなど、巷で大人気のスターにゃんこなのである。
そのヨウカンさんが、なぜヅラをかぶっているのか?
ヨウカンさんの飼い主・kachimoさん夫妻による「3つ編みプロジェクト」は、不幸な野良猫を増やさないために2010年からスタートしたプロジェクト。ヨウカンさんを筆頭にさまざまなお宅の飼い猫に3つ編みのカツラをかぶってもらって飼い主が写真を撮り、この写真を集めた写真展を開催。その際に販売するグッズの収益をすべて、野良猫の避妊・去勢手術をする全国のボランティア団体へ寄付するというものだ。
参加したにゃんこは国内はもちろん、フランス、アメリカ、オーストリア、ニューカレドニア、イギリス、香港などにもいて、カツラは何度も海を渡っている。その最終回となる「3つ編みプロジェクト 終了展」が9/7(土)・8(日)に東京・根津のギャラリーマルヒ、10/16(水)〜11/4(月・祝)に京都の3箇所のカフェで開催されることに。
主催者のkachimoさんに話をうかがった。
―そもそも、なぜ3つ編みのヅラをかぶせたんですか?
「王子にある猫雑貨屋さん『元祖猫商 丸山商店』の店長さんから『ヨウカンさんにかぶせてみて~!』とヅラをいただいたんですが、かぶせてみたらプッ!と噴いちゃいそうなくらい変てこな顔が撮れまして。普段からたまに変な顔をする猫だったんですが……。これは是非、ほかの猫ちゃんにもかぶっていただきたい!と。
―2010年にスタートされた3つ編みプロジェクトですが、この3年の活動でどんなことが印象に残っていますか?
「2011年の震災の時には、ちょうど3つ編みのカツラが仙台の若林区のお宅に行っていて、ご家族の方、猫ちゃんのご無事が確認できるまでは本当に心配でしたね。震災から16日後に、震災に遭われた方と動物たちのためにチャリティイベントを行いましたが、時間がない中で多くの方に動いていただき、その瞬発力にも感動しました」
―今回の「終了展」の展示内容について教えてください。
「3年間でご協力いただいた700匹の猫ちゃんのA4写真パネルがびっしり並びますので、かなり壮観な眺めになると思います。すべて撮影は飼い主さんにお願いしているので、その写真から、猫ちゃんに対する愛情をひしひしと感じられるのではないでしょうか。また『3つ編み~』とは関係ありませんが、うちの“巨猫”ヨウカンさんが先日東急東横線女性専用車両をジャックした車内吊り広告10種類を、ギャラリーマルヒの廊下につり下げますので、電車でご覧いただけなかった方は是非お越し下さい」
―毎回グッズのデザインが凝っていると評判ですが、今回はどんなものが販売されますか?
「Tシャツ2000円〜、フェイスタオル300円、ランチバッグ500円〜、ポストカード150円、その他いろいろです。作家さんは前回に引き続き、妖怪絵師として知られている石黒亜矢子さんや画家のヒグチユウコさん、イラストレーターのハセガワアヤさんにご協力いただきました」
―お客さんが参加できる企画もあるとか……?
「せっかく来ていただいたら楽しんで帰っていただきたいので、以前の写真展でもやらせていただいたのですが、記念撮影ができる人間用の3つ編みカツラをご用意しました。思う存分かぶって、写真撮影していただきたいです!」
地毛であるかのようにヅラがフィットしているコ、見慣れない物体にビビッている様子のコなど、リアクションはさまざまだが、昭和テイストの3つ編みヅラをかぶったにゃんこたちの表情には愛嬌があふれていて、なんだか味わい深いものがある。
東京での展示のあとは最終イベントとして、京都の3箇所のカフェで連動した展示を行う「京都3つ編みCafeめぐり」を開催。こちらもにゃんこにちなんだオリジナルメニューの提供やスタンプラリーなどを予定していて企画満載なので、東京で見逃してしまった人には、秋の京都&可憐なにゃんこたちの写真を堪能する旅を“全力で”オススメしたい。
(古知屋ジュン)
●「3つ編みプロジェクト終了展@根津」
会場:ギャラリーマルヒ
開催日時:9/7(土)〜8(日)12:00〜18:00
●「3つ編みプロジェクト終了展@京都 『京都3つ編みCafeめぐり』」
会場:古書と茶房ことばのはおと/Cafe1001/ごはんCafeたまゆらん
開催日時:(古書と茶房ことばのはおと)10/16(水)~11/3(日)、(Cafe1001)10/16(水)~11/4(月・祝)、(ごはんCafeたまゆらん)10/17(木)~11/4(月・祝) ※開催時間、定休日は店舗により異なる