オランジーナ・ブランドの中でも「バリエテ(Variete)」シリーズはネーミングも特徴的だ。
「バリエテ」以外に、糖質0%の「Miss O」シリーズも5種類(オリジナル、パッションフルーツ、クワの実、グレープフルーツ、キイチゴ)販売されている。両者を合わせれば、オランジーナは現時点で14種類もあるのだ。
これらを販売する仏オランジーナ・シュウェップス・グループ(仏国内ではオランジーナ、シュウェップス、オアシスなどのブランドを擁す)は、2009年に買収されサントリーの傘下に入った。その後、日本でサントリーからオランジーナが発売されたのだが、実際フランスでの同グループの位置付けはどうなのか。
仏フィガロ紙が報じた仏調査会社ニールセンの調べによれば、仏オランジーナ・シュウェップス・グループの売上げは好調だという。今年8月末時点で、仏ノンアルコール飲料のマーケットは1%縮小したものの、同グループはスーパーマーケット(ディスカウントストアは除く)での売上げを4.1%増加させた。さらに今夏、同グループは市場売上高の20%を占め、スーパーマーケットのプライベートブランドや仏コカコーラからその一部を奪った。
さらに仏オランジーナ・シュウェップス・グループは、時代の変化に合わせて「フルーツ」に重点を置いたブランド広告展開もしている。2008年から2013年のノンアルコール市場において、コーラは1.8%の伸びだったが、果実飲料は約2倍に当たる3.9%の成長を見せているからだ。
仏オランジーナ・シュウェップス・グループが狙いを定めるのは、ライバル・仏コカコーラだ。しかし両者を比べた時、その差は依然大きい。
(加藤亨延)