先日コネタで変り種クリスマスケーキを紹介しましたが、ケーキが苦手な人や、商品によっては乳製品などのアレルギーをもつ人の間で人気上昇中なのが、クリスマス向けの和菓子(※ 一部商品には乳製品や小麦粉などが使用されています)。
練り切りなどでサンタクロースやもみの木をかたどった上生菓子が一般的ですが、近年は味わいのバリエーションも豊富になり、見た目も華やかだったり個性的なものが増えてきました。
そこで、実際に東京都内の和菓子店ではどんなクリスマス和菓子が出ているのか、傾向をさぐってみることに……。

クリスマス向け和菓子の先がけと言われているのが、60年以上前からクリスマス和菓子を作り続けている南青山の老舗「菓匠 菊家」。ミッションスクールである青山学院大学にほど近く、先代が同学院でのクリスマスのお祝い用にキャンドル型の和菓子を作って差し入れたのをきっかけに、毎年新作を加えながら、今年は10種類前後の発売を予定しているのだそう。

こちらではやさしい味わいの淡雪かんで作った「聖樹」、つぶしあんを固めた「ポインセチア」、見た目も鮮やかな練り切りの「リース」を組み合わせた「聖夜セット」(3個入り1340円)のほかに、単品の上生菓子を1個450円~で扱っています(いずれも予約は12月16日~21日、引渡しは12月16日~24日 ※通販可能)。

ちなみに、近年はどんなシーンでクリスマス和菓子が人気なのか、お客さんの反応などを聞いてみたところ、
「毎年クリスマスの時期に必ず見える常連さんがいらっしゃるのですが、この時期は比較的男性のお客様が多いですね。青山という場所柄もあると思うのですが、業界関係の方がクリスマス時期の“おもたせ”として買っていかれたり、会社の女性スタッフの方々が喜ぶからと、まとめ買いされるケースが多いようですよ」(菓匠 菊家スタッフ)とのこと。


確かに1つ1つデザインが違ってプレミアム感もある上生菓子なら、目上の人や女性へのクリスマスの手みやげに喜ばれそうなアイテムといえます。

クリスマス上生菓子を扱っているお店は都内にも複数あるのですが、モダンなデザインが特徴的なのが飯田橋の老舗「いいだばし萬年堂」。こちらでもさまざまなクリスマス和菓子を発売しているのですが、定番のクリスマスアイテムをモチーフにした「もみの木」「天使の贈り物」「聖夜」「クリスマスツリー」など、高級チョコレートのように仕上げた上生菓子(1個315円~)は、まさに“食べるアート”。また新作として、栗あんやいちじくあんなどをくるんだ5色のプチまんじゅう「5彩(ごしき)・ぼんぼん」(5個入り1730円)も発売。こちらにはひいらぎや星の形の干菓子が添えられていて、さりげなくクリスマスの雰囲気を演出するのにぴったりです(いずれも予約受付中、引渡しは12月20日~24日 ※通販可能)。

上生菓子以外にも、クリスマスをテーマにした和テイストのお菓子のバリエーションは増えています。
例えば季節のイベントに合わせたキュートなまんじゅうやブライダル用の引き菓子などが人気の「あわ家惣兵衛」では、名物アイテムのどら焼きの期間限定バージョン「クリスマスどら焼き」(1個231円)の予約を受付中。

イチゴあんとバタークリームをはさんだどら焼きは、ショートケーキにも似た和洋折衷の味わいなのだとか。ほかにも山芋を使った“じょうよまんじゅう”のサンタ&小麦粉を使った焼き菓子のトナカイを組み合わせた「サンタトナカイまんじゅう」(4個入り1200円、単品231円)なども、子供から大人までが喜ぶプチみやげとしておすすめです(いずれも予約受付中、引渡しは12月11日~25日 ※通販可能。ネット通販受付のみ12月19日まで)。

生菓子のほかに日持ちのするお菓子としては、銀座の本店のほかに都内近郊の各百貨店などにショップを展開する「銀座 松崎煎餅」の瓦せんべい「江戸瓦 暦(クリスマス絵柄)」(8枚入り1050円~)も定番人気のアイテム。小麦粉に砂糖や卵を加えたやさしい甘さの瓦せんべいに、雪だるまやキャンドルなどの絵柄を職人が1枚1枚丁寧に絵付けしたもので、愛らしいデザインの中にも繊細さが光ります(予約受付中、引渡しは12月中旬まで ※通販可能。
店舗により売り切れの場合あり)。

どうです、「ケーキより和菓子……!」な気分になってきませんか? ここで紹介しているのは都内のお店のみですが、お店独自のレシピと職人技が光るクリスマス和菓子を扱うお店は各地で年々増えているようです。人と集まる機会が多いこの時期、誰かとかぶらないおみやげを選ぶなら和菓子屋さんをのぞいてみるのも一案ではないでしょうか。
(古知屋ジュン)