「花より男子」(05年)です。
「失ショコ」と同じく漫画原作のドラマで、松本潤がヒロイン(井上真央)の相手役を演じていました。
ああ、これ、もう10年近く前なのですね。
「失ショコ」は、主人公が3人の女の子にモテる話で、「花男」は、ヒロインが4人のイケメンに囲まれるお話です。
マツジュンとヒロインをめぐる恋のライバルを演じた小栗旬が、当時(07年「花より男子2(リターンズ)」の頃)のあるインタビュー記事でこんなことを語っています。
(ヒロインのことをどう思うか? という問いに)「ヒドイ女だと思います(笑)。お前がいろんな男にフラフラしなければ、『花より男子』は10巻くらいで終わってるんだよ!って」(「オーディション」07年2月号より)
「花男」は37巻の大長編。それに比べたら「失ショコ」はまだ7巻(5月に8巻が発売されます)ですから、そんなに長い話ではありませんが、それでもやっぱり、「失ショコ」もサエコ(石原さとみ)がフラフラしなければ、成立しない物語なのであります。
最初は、彼がいるにも関わらず、爽太にフラフラ。
11年経っても、夫がいるのに、爽太にフラフラ。
現在、サエコは、夫が自分の話を聞いてくれず、物のように扱うことに我慢がならず、家を出て、爽太のチョコレートショップの仮眠室(にしてはものすごく素敵な部屋)に寝泊まりしています。
ドラマ10話(3月23日放送)は、サエコが産婦人科から出てくるところで終わっており、これはどういうこと? サエコは、夫の元に戻るの? それとも爽太を選ぶの? と気が気ではありません。
原作漫画が完結していないので、ドラマはいったいどういう結論を描くのか、最高に気になります。
爽太も、サエコのほかに、仲の良い女性えれな(水原希子)がいるのですが、どうにも煮え切らない。
それもこれもサエコが思わせぶりだからいけないのです。
なんなの、サエコ!
爽太に密かに思いを寄せる薫子(水川あさみ)のようにイラっとしながら、毎週見ているのですが、10話では、薫子おまえもか! で、とうとう薫子までがサエコに落ちてしまいました。
では、ここで、10話のサエコに学ぶ、モテテクを復習してみたいと思います。
これが確かにナットク!のテクなのですよ。
●メールの返信はすぐする。
じらしテクニックは不要。
●相手から質問メールが来たら、メールで回答するのではなく、すかさず会う方向へもっていく。
例文:
くわしく話すね[ハート]
ごはん行こう、いつ空いてる?
ハートマーク必須!
3. 会いたくない人にも優しく。
この人がいつか会いたい人に変わるかもしれないから
●上から目線はNG。
仮に相手に注意するときも、かわいく。
例文:
「薫子さん、上から目線。
5.人の気を引く努力をしている人が好かれる。
6.恋は登山のようなもの。
目的の山を制覇するためにほかの山に登ってみる。
例:
時には、ほかの人を好きになることで本命の気を引くという作戦も。
7.デートの時は、悪口やネガティブ発言にならないように。
相手を楽しませてあげる。
励ましたり、褒めたりすると良い。
8.別れ際はこの言葉で。
「今日は楽しかったです、また誘ってくださいね」(頭をかわいく傾けながら)
9.相手の身内を攻略。
お父さんの好きなものを、事前にリサーチしてプレゼントしたり、相手の身内がピンチの時、さりげなく助け舟を出したりする。
10.料理、掃除、お店番など、率先してお手伝いする。
上手で手際がいいとなお良し。
11.ほかの好きなものや人の話をしても、
「あなたは別格」とちゃんとフォローする。
12.女子と仲良く。女子の敵を作らない。
13.聞き上手。ひとの悩みを親身に聞く。
これだけできたら、モテそうです。
それにしても、サエコ、なんで、こんなに徹底しているのか、というと、
(相手に自分を)好きにさせて、
好きになってくれたら
(自分も相手が)好きになる
という自論が彼女にはあるのです。
3の「会いたくない人にも優しく」というところに顕著に出ていますが、サエコは博愛主義者なんでしょうね。
彼女の水瓶座(1月22日生まれ)らしさは、博愛だったのですね。
好きになれない人まで好きになりたい。その難題を、まず自分が好かれることでクリアしようとしているのです。
冒険家か宇宙飛行士レベルの目標のでかさです。
どんな人にもいいところがあり、人間の気持ちは変わっていくものだから、人の価値を簡単に決めつけない。
この生き方は、悪くすると、八方美人となってしまう危険性もはらんでいます。
他人に好かれることを優先し過ぎて、自分がなくなって、そのせいで人間関係を濃密に結ぶことができなくなってしまうかもしれません。
サエコが旦那さんとギクシャクしているのも、旦那のせいもあるけれど、サエコが本当は自分がどうしたいか伝えてないからという気もします。
その点において、えれなはサエコに近い。
相手のことを思って、がまんしてしまうばかりで、六道(佐藤隆太)から「自分を傷つけるものがあったら闘っていい」とアドバイスされるのですから。
サエコとえれなと比べると、爽太と薫子は、ものすごく自分の内面をさらけ出していて、
弱い自分やちょっと悪い自分も認めています。
まだまだひとり相撲状態ですが、もっと外に開いたら楽になれそう。
相手のことも自分のことも大事にして、自分がどうしたいかビジョンをもって、それを適度に相手に伝えることこそ、本当のモテテクなのではないか? と「失ショコ」を見て思うのです。
さて、今夜、最終回。どうなる、恋の行方!(木俣冬)
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