揚げ物と言えば、思い浮かぶのは「天ぷら」・「フライ」・「唐揚げ」……
最近では健康ブームからか、油を使わずにトースターなどで焼くように調理したり、卵を使わずに水でパン粉を付けたりするような代替案をよく聞くようになった。
しかし、フライには欠かせない「パン粉」。
これはなかなか代用が難しいのではないだろうか?

揚げ物は避けている、という人も多いとは思うが、罪悪感の少なさから順位をつけると、1位はフライだと勝手に思う。フライは、カロリーはあるのだろうが、そのサクサク感が軽さを演出している。コロッケなどは野菜がふんだんに使われているし、揚げてあるとはいえ油っぽさを感じさせない。これもパン粉のお陰なのだろう。

そんなパン粉さま、最近米国で人気急上昇中。
シカゴの4つ星ホテル「ソフィテルシカゴ」内レストラン、「The Palm」のランチメニューを見てみると、
「Wasabi and Panko Crusted Ahi Tuna Steak(パン粉とワサビでカリカリサクサクにしたツナステーキ)」 として登場している。


パン粉が人気を得る前は、米国でフライを作るときは缶に入った「ブレッドクラムス」というものが主流だった。ブレッドクラムスは、パン屑をもっと細かくサラサラにしたような粉にハーブやらが混ざったものだ。
ブレッドクラムスの和訳がそのまま「パン粉」なのは言うまでもないのだが、実際のものはまったくの別物なのでわざわざ「panko」という日本語を使用しているのだろうと思う。

コストコなどでも大きい袋に入った、pankoのチキンナゲットやらチキンカツなどが目に入るようになった。
一度日本のパン粉の揚げ物の食感を知ってしまうと、米国で主流のブレッドクラムスには戻れないのではないだろうか? ブレッドクラムは、パン粉よりもサラサラとしているためか、フライに使っても、いまいち歯ごたえがなく、物足りなさを感じてしまう。一方で日本の洋食としてのフライもの、またはトンカツや海老、牡蠣などの定食としてのフライは、サクサクとしていて素晴らしく美味しい!

それにしても「PANKO BREADED」って「パン粉パン粉」って言っているようなものでなんだか違和感。
誰かしっかりと教えてあげて欲しい。話はそれるが、ラーメンのことを「ラーメンヌードル」と呼ぶ人が多い米国。それもラーメンラーメン、またはヌードルヌードルと言っているようなものだ、とツッコミたくなる。

さて、そんなパン粉を始めとして、日本の各種食材にはもっと世界で活躍してほしいと思う。そうなれば、世界のどこへ行っても「日本食が恋しい~」「あれが食べたい」「これが食べたい」なんて思うこともなくなるかもしれない。
(シカゴ/あらた)