「こいつはね、こないだ、わたしに無理矢理キスしたのよ!
この際だからはっきり言っておくけどね、わたしはあんたみたいな男が大嫌いなの!」


25年ぶりに同窓会で再会した4人のアラフォー男女が惹かれあっていく姿を描くドラマ「同窓生」(TBS木曜9時)。第1話では、恋多き既婚者・遼介(松岡昌宏)が、仕事に生きる女・薫子(板谷由夏)にまさかの無理チュー。
7月17日放送の第2話では、いよいよ本腰を入れたアプローチが始まった。

電話をしても相手が出なければ、すかさずメール。
「部屋探しなら桜井へ。手間賃ゼロ」
薫子の返信は「信用、も、ゼロ」とつれなかったけど、
憎まれ口にしろ、なんにしろ、避ける気満々の女に即レスさせる技はお見事だ。

口実をでっちあげて、呼び出したことを責められても
「相手にしてくれないから、卑怯な手を使ったわけ」とニコニコ。
無理矢理キスをしたことを、健太やあけひにバラされても、
「好きじゃなかったらキスなんかしない。
だろ?」
と平然と答える。
女房持ちじゃないかと責められても、
「女房がいようがいまいが、好きな相手には心動くの。ときめくんだよ」
と真顔で語る。
挙げ句、
「薫子はこれまでの女と違う。自分を持ってる。プライドの高い女だ。
そのプライドを大事にしたいんだよな」

だもの。うーわー!
なんの責任もとれないことを、いけしゃあしゃあと言ってのけるのは、もはや才能である。

一方、健太(井浦新)は、あけひ(稲森いずみ)から預かったシャツに、血の染みを見つけ、不安に駆られる。さりげなく聞きだそうとしても、あけひは「ほら、カット用のはさみ、あれすごく切れやすいから。ちょっとね、ドジっちゃった」と言い張る。

松本利夫(EXILE)演じる、あけひの夫・鎌倉太郎は、やり手のカリスマ美容師という設定。
客や店のスタッフの前では愛想がいいが、家では不機嫌さを隠さない。イライラしてバッグを放り投げ、派手な音をたててドアを閉める。ちょっとした仕草や、あけひや子どもたちの表情に日常的な暴力の陰が見え隠れする。不穏さは増す一方だ。

「(髪が)ちょっと伸びてるね。今度は健太がうちに来て、月水金のどれかね。
電話して」

と言われ、あけひ夫婦が働く美容院を訪れた健太は、指定された曜日があけひの夫である鎌倉太郎が不在のタイミングだと知る。あけひに髪を洗ってもらい、「いいにおいがする…」と、うっとり。髪を切っている最中に「今好きな女がいる。その女は他の男の妻である。その女の名前のイニシャルはAである」とあけひに問われ、「イエス」と答えてしまう。

きゃっきゃっうふふと楽しそうな二人をドア越しにどんより見つめるのは、別店舗に行っているはずの夫・太郎だった……こわい、ヤバい、逃げて!

しかし、それにしても謎なのがなぜ、あけひは健太を美容院に呼び出したのかということだ。

夫がいない曜日だとしても、スタッフの目はあるし、
「なんか男と盛り上がってます!」とご注進に及ぶスタッフがいても不思議はないのに。
後先考えず、思いつきで行動しているからなのか、
いっそのこと、すべてぶっ壊れちゃえばいいのにという深層心理なのか。

のっぴきならない状況になりそうな「同窓生」第3話。今夜9時放送です。

(島影真奈美)

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