今、ゆるキャラグッズと共に全国のお土産さんでジワジワ増えてきている「ご当地学習帳」。一口に「ご当地学習帳」といってもさまざまなようで、その魅力を学習帳ファンの藤村阿智さんに伺った。


富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

――藤村さんが「学習帳」に興味をもつようになったきっかけは?
「『ジャポニカ学習帳』(ショウワノート)が好きで、子どもの頃からずっと使っていて、そこから派生していきました。今でもアイデアを書いたり、漫画の下描きを描いたり打ち合わせに使ったりしています」
「ジャポニカ学習帳」……もはや説明不要と思われるが、念の為おさらいしておくと、1970年発売。累計販売数は12億冊以上を誇る驚異のノートだ。
「基本は子どもが使うノートなので丈夫で破れにくいし、糸でとじられているのでノートを360度開いた状態で使えるのも嬉しいです。紙も鉛筆で書きやすい紙を使用してるんですよ」

藤村さんは「ジャポニカ学習帳」を使っているうちに、いろいろなデザインの学習帳を集めるようになったという。観光地のお土産として販売されている学習帳パロディノートも、内容が面白いものは購入しコレクションしている。
では、藤村さんが所有している「ご当地学習帳」の一部を紹介。

●(富山)「ドラえもんトラムじゆうちょう」
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

「ドラえもんトラム」は、藤子・F・不二雄氏が生誕し幼少時代を過ごした富山県高岡市で運行されている路面電車。「ドラえもんトラムじゆうちょう」は「ショウワノート」が製造。高岡市はまさに「ショウワノート」のお膝元であり、ノートには「ドラえもんトラム」の秘密や、高岡市の案内が紹介されており、もちろん「ショウワノート」の本社の紹介も掲載されている。
「地元の紹介がカラーページで充実しているのがポイントですね」(藤村さん)

●(長野)「国宝 松本城学習帳」
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

発売しているのは松本城のある松本市にある会社。
「発行元が観光地のお膝元の会社だと嬉しいし、頑張っている感じがしますよね」(藤村さん)

●(三重)「忍者文字学習帖」
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

「忍者文字」は、忍者が仲間と連絡を取り合うために、秘密を隠すために作り出した文字。
「忍者文字学習帳」は、忍者文字のトレーニングが楽しくできるようになっている。
忍者文字は形が複雑なので普通に書くよりも難しいが、マスターすれば、忍者と意思疎通ができること間違いなし!?
「親からお土産でもらったんですけど、親が私の文房具好きのことを分かりすぎてます(笑)」(藤村さん)

●(沖縄)「琉神マブヤー」じゆうちょう
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

沖縄のご当地ヒーロー「琉神マブヤー」。こちらは見かけからして「ジャポニカ学習帳」ふうではでない。
「表紙はデザイン的にもよくできていると思います。ぬりえもついていますよ」(藤村さん)

●(福岡)「ソフトバンクホークスシリーズ おとうさん学習帳」
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

「ソフトバンクホークス 鷹の祭典2013」のキャンペーンで、首都圏および福岡県のソフトバンクのお店でプレゼントされた。製造はショウワノート。「ホーム(ヤフオクドーム)での応援のしかた」「おとうさんまちがいさがし」など、遊び心満載。

●「ご当地楽習帳」シリーズ(写真は高知版)
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

全国のいろいろな観光地で発売されている。表紙は、偉人、ゆるキャラ、イラスト地図などさまざま。裏表紙には名所の解説や偉人の年表などを掲載。

※ご当地とは違うが、「学習帳」といえばこのようなノートも

●「関くん観察日記帳」
富山の「ドラえもん」から沖縄の「マブヤー」まで「ご当地学習帳」の世界

累計250万部を突破した森繁拓真の漫画「となりの関くん」。『月刊コミックフラッパー』(KADOKAWA メディアファクトリー)の付録としてつけられた。
ページの上半分に関くんの授業中の様子を絵で描けるようになっていて、下半分には文章を書くスペースが。「めいわくど」を書き込む欄もあって、ファンには嬉しい、センスの良いノートだ。
「ちゃんと、ジャポニカ学習帳『えにっき』のパロディとして優れているところが良いですね」(藤村さん)

「ご当地ノート」は、お土産として買った時に、小さいから荷物にならない、食品ではないから腐らない、まんじゅう類に比べると安いといったメリットもある。ただし、買うかどうかは表紙のデザインに左右される感じは否めないので、作り手のセンスがかなり問われる……というのが正直なところだったりします。
(取材・文/やきそばかおる)

●藤村阿智さんのサイト
Blackstrawberry.net
文房具の同人誌(ミニコミ誌)を発行している藤村さんのWEBサイトでは、同人誌の紹介のほかに変な電卓コレクション、自作ショートショートや漫画・イラストが掲載されている。
藤村作のいつも文房具と一緒にいるキャラクター「いつもぶんぐ」LINEスタンプが現在販売中。
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