首尾よく、蘭子をCEOの座から引きずりおろした間宮は「あのオッパイ狸」「ファッションセンスもない」「ビジネスもない」「カリスマ性もない」と言いたい放題。すっかり男を下げるなか、大健闘したのは岡本圭人(Hey!Say!JUMP)演じる、インターンの国木田久志だ。
合法ドラッグを購入したこと、凪子(ともさかりえ)に知られて脅されたり、同じくインターンの小娘に篭絡されて、首輪プレイを強いられたり……と、どうにも情けないシーンが多かった久志くん。今回もTATSUKO YANO とTATSUKO YANO JAPANがブランドの存続を賭けて戦うことになると、早々に戦意喪失し、居眠りばかりしていた。
というのも、ともさかりえ、シシドカフカ、市川実和子、篠原ともえなどのベテランデザイナー及びパタンナーはすべてTATSUKO YANOチームにとられ、TATSUKO YANO JAPANはちなみ(沢尻エリカ)とさくら(倉科カナ)、そして久志の3名だけ。かつて「ファースト・クラス」編集部でも、新旧雑誌をめぐる売上げバトルが繰り広げられたが、あのときに比べると、あまりに両陣営の力量に差がつきすぎていた。
やる気のないさくらと久志の態度に、ちなみも諦めムード。
「仕事への思いが私たちとは違うんだと思う」と愚痴るが、かつての先輩エディター・木村白雪(田畑智子)に思い違いを指摘される。「あんたは一人でなんでもできると思ってる」(白雪)というセリフは前作に比べて視聴率がふるわない今作に対する脚本家・及川博則(シーズン1ではプロデューサー)の自己批判にも映り、ドキッとする。
「なんとなく普通にサラリーマンしたくなくて……だから、みなさんみたいにすごいモチベーションがあるわけでもなく、ずるすると……」と歯切れが悪い久志を「いいと思う」と励ます、ちなみ。その後に「私なんて服飾出てから7年もフリーターしてたんだから」と、自虐とも苦労自慢ともつかないフレーズを重ねることのよしあしはともかく、「いいと思う!」と言っておけば、たいていのことは丸くおさまる。
仕事をなめた態度ばかりが目立っていた久志だが、いったんやる気になれば素直でいっしょうけんめい。
前回に引き続き、半裸腹筋を披露していた隆太郎×間宮のセクシー路線がやや上滑りするなか、最後の希望は久志である。セクシーも悪だくみもいらないので、どうか、けなげと爽やかさを! 久志の今後のがんばりに期待しつつ、第8話は12月10日10時から!
(島影真奈美)