そして、デンさんがいろいろなスタジオを歩いていく中で、ひとつひとつのシーンで大勢の人たちが多くのことを手作業で行っていることも分かっていく。
例えば、怪獣の大きな指を動かしていている人や、その怪獣の手の動きの指示を出している人がいること。海のシーンでは波を起こしている人、火薬を爆発させている人、濡れてしまった怪獣を乾かしたり、壊れてしまった怪獣をなおしている人がいること。ウルトラマンやバルタン星人が空を飛ぶシーンでは、ワイヤーでウルトラマンたちを動かしている人がいたり、そのワイヤーを空と同じ色に塗っている人など、たくさんの人たちが手作業で現場を動かしているのである。
当時から、ウルトラマンの撮影では実際の火を使って撮影をしたり、セットの木は1本ずつ本物の木を植えているなど、リアリティを追求するために細かい手作業が行われていたというのだから、この絵本を読んでいるだけでも、作品が生み出されるまでの細かい作業工程が見られてとても感動してしまう。