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80年代の立川談志が聴けるたまらない音源

       
なごやかに鼎談は終了し、最後は三本締めとなる。声を掛けるのはもちろん談志だ。

談志「人生生きているうちに、間に十年幸せがあれば生まれた価値があると、誰かが言っておりましたが、してみると師匠は本当に幸せな人生を送っていると思います。平均寿命からいってもまだまだ。もしものときは葬儀委員長は引き受けますから。棺桶は……棺桶の話なんてしなくてもいい。じゃあ、おめでたく三本締めで」

特典CDのことばかり書いてしまったが、本作は立川談志のファンならば垂涎の逸品なのである。ここに収められたのは1978年の「二階ぞめき」(第208回)から1985年の「山号寺号」(第294回)までの約8年間にわたる高座の模様だ。談志の高座の録音・録画は平成に入ってからが多く、それ以前は新宿・紀伊國屋ホールから始まった「談志ひとり会」など限られたものしか残っていない。
特に空白が多いのは1980年代の高座の記録だ。優れた落語評論家である広瀬和生の著書『談志の十八番』に談志の主要な持ちネタの録音・録画状況がまとめられているが、やはり1980年代後半のものは極端に少ないのである。談志は1965年に著書『現代落語論』で「伝統を現代に」というスローガンを唱えたが、落語立川流創設後の1985年に『現代落語論2 あなたも落語家になれる』を著し、そこで「業の肯定」という新たなテーゼを打ち出した。1980年代中盤は談志の落語が変質していく過渡期であり、当時の高座の様子を窺い知ることができないのは、年若いファンにとっては非常に残念なことなのである。今回、1980年代前半のものではあるが、立川流創設前後の録音がまとまった形で発売されることにより、ほんの少しだが空白は埋められた。

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