そろそろ気温が上がり、薄着になって体型が気になる季節。これから夏に向けて雑誌などでもダイエット特集が組まれ、いや応なしに体型を意識させられることも多いだろう。
ダイエットに失敗してリバウンドを繰り返すと痩せにくい体質になるといった話は多くの人が聞いたことがあるだろう。だが、ダイエットの弊害はそれだけではない。実はダイエットが原因で薄毛になることまであるそうだ。
先ごろ、AACクリニック銀座の浜中聡子院長が、「ダイエットと頭髪」をテーマにしたセミナーを開催。意外に知られていないダイエットと薄毛の関係について聞いてきた。
同院では2007年に女性専門の頭髪外来を設置したところ、患者数は年々増加しており、“女性の薄毛も治療できること”が徐々に浸透してきているのを実感しているという。患者さんの年齢層は10~90代まで幅広く、とくに40代以上が増加傾向にあるそうだ。
薄毛・抜け毛の原因はいろいろあるが、その一つとしては、加齢などによる血流の低下やホルモンバランスの乱れがあるという。頭皮の血流が低下すると、髪の毛の元となる毛母細胞に十分な血が行きわたらなくなってしまい、毛が細くやわらかくなったり、生えにくくなったりすることもあるそうだ。
その他にはストレスや喫煙、睡眠不足なども原因のひとつとして考えられているそう。また、女性に多い原因のひとつとして“牽引(けんいん)”もある。
そして「過度なダイエット」も薄毛や抜け毛を招くそうだ。
「女性は夏に間に合わせようとか、同窓会があるとか、一時的な理由でダイエットをする人も多いですよね。運動をせずに食事制限だけで体重コントロールを試みる人が多く、それが薄毛の原因になってしまうんです」と浜中院長は注意を促す。
なぜダイエットで薄毛になるのか? 髪の毛の製造工場ともいえるのが毛乳頭だが、ここには髪の毛の元となる毛母細胞がある。この細胞が酸素や栄養素を取り込み、細胞分裂を繰り返すことで髪が伸びていくのだが、食事制限をすると必要な栄養素が不足し、髪の成長が妨げられてしまうのだ。
それでは逆に望ましいダイエットの形とは何か? 浜中院長いわく、「しっかり食べたうえでバランスよく減らしていくのが大事」とのこと。
日本には髪の成長に必要な栄養素も摂れる健康的な食事を表す言葉に「ま・ご・わ・や・さ・し・い」というのがある。これは、豆・胡麻・ワカメ・野菜・魚・シイタケ・芋の頭文字をとったもの。これらの食材を意識すると、タンパク質・ビタミン・ミネラル、炭水化物等をまんべんなく摂取できるという。
ちなみにダイエット先進国のアメリカで今、一番ホットなダイエットは「DASH(ダッシュ)ダイエット」と呼ばれるものなのだとか。
「カロリー計算にこだわるダイエットはストレスの元になるので、代謝(メタボリズム)をあげることを心がけるのがよい」と浜中院長。
具体的な代謝をあげる食べ方としては、まず朝食は必ず食べるようにし、できれば1回の食事の量を減らして頻繁に食べるのが理想。白身魚のように脂肪分が少なく、タンパク質が豊富な食物を摂取するのがよく、穀物やフルーツ、野菜など食物繊維の多い食べ物を選ぶと腹持ちがよくなるそうだ。
運動方法としては、なるべく朝に運動すること。メタボリズムのアップに最も有効なのはウェイトトレーニング。
最後に浜中院長が紹介してくれた正しいダイエットの8カ条を紹介しておこう。
1. 高タンパク、低脂肪の食事を
2. 早食いをしない
3. バッカリ食べをしない
4. 絶食をしない
5. 食べ過ぎた翌日は粗食に
6. 腸内環境を整える食事を
7. 有酸素運動を取り入れる
8. 体重ダウンは月5%以内に抑える
間違ったダイエットでは抜け毛や薄毛以外にも、便秘・貧血・生理不順・脱水・骨粗鬆症などさまざまな不調を引き起こす。浜中院長いわく、「食べないダイエットは言語道断」とのこと。ダイエットをするなら無理なく正しく。健康な体ときれいな髪を手に入れたいものですね。
(古屋江美子)
まあ、ダイエットは基本的に成功しない人が多いからこそ、これだけ市場が盛り上がっているのだろうが……。
ダイエットに失敗してリバウンドを繰り返すと痩せにくい体質になるといった話は多くの人が聞いたことがあるだろう。だが、ダイエットの弊害はそれだけではない。実はダイエットが原因で薄毛になることまであるそうだ。
先ごろ、AACクリニック銀座の浜中聡子院長が、「ダイエットと頭髪」をテーマにしたセミナーを開催。意外に知られていないダイエットと薄毛の関係について聞いてきた。
同院では2007年に女性専門の頭髪外来を設置したところ、患者数は年々増加しており、“女性の薄毛も治療できること”が徐々に浸透してきているのを実感しているという。患者さんの年齢層は10~90代まで幅広く、とくに40代以上が増加傾向にあるそうだ。
薄毛・抜け毛の原因はいろいろあるが、その一つとしては、加齢などによる血流の低下やホルモンバランスの乱れがあるという。頭皮の血流が低下すると、髪の毛の元となる毛母細胞に十分な血が行きわたらなくなってしまい、毛が細くやわらかくなったり、生えにくくなったりすることもあるそうだ。
その他にはストレスや喫煙、睡眠不足なども原因のひとつとして考えられているそう。また、女性に多い原因のひとつとして“牽引(けんいん)”もある。
これは、ひっつめ髪のように常に髪に過剰なテンションをかけていると、そこから薄くなってしまうというもの。
そして「過度なダイエット」も薄毛や抜け毛を招くそうだ。
「女性は夏に間に合わせようとか、同窓会があるとか、一時的な理由でダイエットをする人も多いですよね。運動をせずに食事制限だけで体重コントロールを試みる人が多く、それが薄毛の原因になってしまうんです」と浜中院長は注意を促す。
なぜダイエットで薄毛になるのか? 髪の毛の製造工場ともいえるのが毛乳頭だが、ここには髪の毛の元となる毛母細胞がある。この細胞が酸素や栄養素を取り込み、細胞分裂を繰り返すことで髪が伸びていくのだが、食事制限をすると必要な栄養素が不足し、髪の成長が妨げられてしまうのだ。
考えてみれば当たり前のことなのだが、ダイエットに夢中になっていると、そこまで考えが及ばない人がほとんどのよう。
それでは逆に望ましいダイエットの形とは何か? 浜中院長いわく、「しっかり食べたうえでバランスよく減らしていくのが大事」とのこと。
日本には髪の成長に必要な栄養素も摂れる健康的な食事を表す言葉に「ま・ご・わ・や・さ・し・い」というのがある。これは、豆・胡麻・ワカメ・野菜・魚・シイタケ・芋の頭文字をとったもの。これらの食材を意識すると、タンパク質・ビタミン・ミネラル、炭水化物等をまんべんなく摂取できるという。
ちなみにダイエット先進国のアメリカで今、一番ホットなダイエットは「DASH(ダッシュ)ダイエット」と呼ばれるものなのだとか。
低脂肪、低塩分、低糖分、アルコールを控えるといったライフスタイルをすすめるもので、アメリカメディアから3年連続ベスト・ダイエットにも選ばれているそうだ。
「カロリー計算にこだわるダイエットはストレスの元になるので、代謝(メタボリズム)をあげることを心がけるのがよい」と浜中院長。
具体的な代謝をあげる食べ方としては、まず朝食は必ず食べるようにし、できれば1回の食事の量を減らして頻繁に食べるのが理想。白身魚のように脂肪分が少なく、タンパク質が豊富な食物を摂取するのがよく、穀物やフルーツ、野菜など食物繊維の多い食べ物を選ぶと腹持ちがよくなるそうだ。
運動方法としては、なるべく朝に運動すること。メタボリズムのアップに最も有効なのはウェイトトレーニング。
有酸素運動ではメタボリズムアップの体質改善はできないものの、一時的に代謝をアップさせることはできるので、過食の後や体重を早めに落としたいときには効果を発揮するという。
最後に浜中院長が紹介してくれた正しいダイエットの8カ条を紹介しておこう。
1. 高タンパク、低脂肪の食事を
2. 早食いをしない
3. バッカリ食べをしない
4. 絶食をしない
5. 食べ過ぎた翌日は粗食に
6. 腸内環境を整える食事を
7. 有酸素運動を取り入れる
8. 体重ダウンは月5%以内に抑える
間違ったダイエットでは抜け毛や薄毛以外にも、便秘・貧血・生理不順・脱水・骨粗鬆症などさまざまな不調を引き起こす。浜中院長いわく、「食べないダイエットは言語道断」とのこと。ダイエットをするなら無理なく正しく。健康な体ときれいな髪を手に入れたいものですね。
(古屋江美子)