ココナッツオイルのほかにもミランダ・カーやローラなどモデルや女優達が美容・健康のために行っている食事の情報をネットで検索していくと、「グルテンフリー」という言葉に出会った。
グルテンとは小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種で、摂食すると体内の免疫系に作用して炎症を起こしたり、肌のトラブルのもとになったりするという。「グルテンフリー」はグルテンを摂らない食事方法のことで、日本ではまだ浸透していないが、欧米では「グルテンフリー」の食品が増えているらしい。
グルテンを含む食べ物はケーキ、クッキーなどのお菓子をはじめ、パン、パスタ、ピザ、ラーメン、鶏の唐揚げなど、私達が好んで口にしている食べ物が並ぶ。甘いお菓子は健康、美容に良いとは思わないが、ほぼ毎日食べているパンやパスタも食べたらまずいのか!? そのショックな事実にさらに追い打ちをかけてきたのが『「いつものパン」があなたを殺す』である。
なんて恐ろしいタイトル……。“あなたを殺す”と断言しているタイトルの本書。本気で私達に警鐘を鳴らしている気がして、どのような経緯で本が出版されたのか編集担当の能井さんに話を伺った。
「本書は、アメリカで2013年9月に出版されるやいなや、ベストセラーになっていた本。当時、炭水化物や糖質、グルテンが、ダイエットの敵だということはすでによく知られていましたが、脳への影響について報告した一般書はありませんでした。
この白澤先生と原著者のパールマター先生とは旧知だということで、出版に至ったという本書。この本では「問題は『いつも食べているパン』から始まる」というプロローグから始まり、怖い真実を教えてくれる。
■炭水化物と糖質が引き起こす炎症で脳は蝕まれている
■コレステロールを下げると、認知症が増加する
■白砂糖、チョコバー、全粉小麦パン……一番怖いのは?
■「肉、卵、脂肪」を避けていると、何が起こるか
原因不明の体の不調がときどき起こる筆者は本書に出会って、グルテンフリーをやってみたいと思ったわけだが、明日から完全なグルテンフリーの食事にすることはなかなか難しい。健康のためとはいえ、逆にストレスが溜まって、不健康になるかもしれないと、本書の怖い真実をキレイさっぱり忘れてしまおうか悩んでいたが……。
能井さんが本書を通して実際に実践していることを詳しく教えてもらった。ときどき、週末断食(金曜夜を最後の食事として、土日は水分のみ)で体をリセットするという能井さんのルールがこちら。
■ランチの麺類、パスタやパンなど、小麦粉は排除。
(なるべくおかずの多い定食で食べられる店に行き、“ごはん少なめ”でオーダー)
■ドーナツ、クッキー、アイスなどの炭水化物・糖質の間食はやめる。
(おやつは、ナッツ、カカオ70%以上のチョコ)
■夕食は、おかずメイン。主食は完全に抜くか少量のごはんをプラス。
■調理油は、オリーブオイルかココナッツオイルのみ。
■著者との食事など、仕事のおつき合いのときは、ルールを適応外とする。
(居酒屋などで食べ物を選べるときは、できるだけ炭水化物以外のものをオーダー)
■通勤時は、なるべく一駅ぶんは歩くようにする。
【効果】
■ダイエット効果あり(学生時代の体重に戻り、はけなかったジーンズの腰回りに余裕。ぽっこりお腹がみごとに解消)
■快眠できる(ダラダラ寝たいほうだったが、短い時間で熟睡できるように)
■花粉症が治った!?(もともと目がかゆくなる軽度の花粉症。本書を実践して、今年はまったく出ず。社内で他にも花粉症が治ったという人がいる)
■体が軽い(食後のだるさがまったくない。午後の眠気も襲ってこない)
グルテンフリーのルールで能井さんはダイエット効果のみならず、健康面でもうらやましい効果を実感されていた。
「炭水化物、糖質、グルテンを極力抜く生活に切り替えました。ただし、仕事柄、本書のすすめる完全フリーは難しいですし、たまには好きなものを食べたいですよね。あまりストイックになりすぎないように楽天的に、自分なりのルールを設けて実践しています」
という、能井さんの話を伺って、完璧なグルテンフリーをすぐに目指すのではなく、まずは自分のできる範囲でルールを設けるところから始めてみようとやる気がわいた。
なかなかダイエットの効果が出ない、原因不明の不調に悩んでいる……という方は一度、パンやパスタをやめてみると、変わるかもしれない。(boox/茶谷)