飯田 それもあるかも。終盤を読んでいたら、ナルトやサスケ側に心を置いて観ると思う。たいへんな思いをして里を守ったのに、そんな気も知らないんだよな、子どもって。って思うんだよ!
サスケがボルトにやさしいのは、そうは言わないけどカカシがそうしてくれたからだろうしね。師匠や親からしてもらったことを弟子や子にしてやるのは当然だ、という芸ごとの世界に似た、いい風習がある。あれだけでけっこう泣ける。
そもそも『NARUTO』は1巻目から主人公のナルトが「火影を目指す」って言っていた。火影は代々受け継がれているわけで、最初から継承テーマが織り込まれている作品ですよね。ボルトやサラダの姿を見ていると、『笑点』メンバーに立川志の輔が入るかもという報道に対する感慨に近いものがあるわけですよ。志の輔の師匠である立川談志がかつて司会をし、回答者に先代・円楽がいた『笑点』に来て、今の円楽と並ぶのか! と。
藤田 『笑点』で言われても、あまり思い入れがないので、比喩としてわかりにくくなっているw
戦争を知らない世代の子供たちへの思い、みたいなものと重ねている部分はありましたね。序盤でナルトがインタビューを受けるときに、そういう描写がありましたし。
そこで、子供に「里を守ること」の大変さや偉大さを「わからせたい」と思って、素直に通じちゃうのが、なんか違う感じがしたんですよね。もっと「わからない」ものじゃないか、伝わらないものじゃないか、という、ぼくの実感があります。
主人公の魅力がなさすぎる。というか不快。