先日、NHKの音楽番組「Music Japan」を観ていた最中、ある歌で「んっ!?」と釘付けになった。『#SELFIE 〜ONNA now〜』、すごいタイトルの曲だなぁと思ったら、歌って踊っていたのは、あの「MAX」。
「アメリカ西海岸に生息するイケイケ女子のテーマソングかよ!」という感じの雰囲気だ。

曲名にある「セルフィー」とは「自撮り」のこと。Instagramで「#SELFIE」と検索すれば、世界中の女子たちの自撮り写真を見ることができる。まさにMAXのタイトルそのもの、「女、なう!」を垂れ流す欲望のるつぼとなっている。

90年代の全盛期~MAXはエリート集団だった


MAXといえば90年代を代表する女性ボーカル・ダンスグループ。名門、沖縄アクターズスクール出身の4人組で、現在はReinaを除く3人、Nana、Mina、Linaで活動を続けている。もとはSUPER MONKEY’Sから安室奈美恵を除いて結成されたというエリートグループだ!

「Music Japan」では、メンバー全員が30代後半とは思えないキレのあるダンスを披露し、プロポーションと美貌を保っていることにも驚愕してしまった。

ダサさと本質を突いた鋭さが同居している


そんなMAXが、Andrew Taggartとヒャダインとのコラボレーションのもと生み出したのが、この新曲『#SELFIE 〜ONNA now〜』! Andrew TaggartとはアメリカのDJデュオ「The Chainsmokers」のメンバーで、2014年に米国で話題を呼んだ『#SELFIE』という楽曲の作曲者だ。今回は、この楽曲にヒャダインが日本語詞をつけた。

ちょっと古い感じのアッパーさに、絶妙なダサさ、独特の動きを取り入れたダンス――しかしバカにできないのが、「確かに六本木にこういう人たちいるよね」という納得感と、「斜に構えて笑っているような女子にだって、実はこんな欲望が渦巻いているじゃないか」という、“見透かされている感”があるところだ。

セリフがいっぱいの歌詞にも注目。
「オンナはいつだって進行形」
「赤いリップと高いヒールがアタシの自然体」
「アタシが一番KAWAII角度はアタシが一番知ってんKnow」
「今までで一番今が好き」

こんなセリフを自信満々で歌えるのはもしかしたら今彼女たちしかいないのかもしれない。10代や20代では出せない輝く30代女性だからこそ、しっかりと歌詞に魂が宿っているような気がする。

オトナの色香、20年を経たMAX


もちろんMVも魅力的。
ノリノリのテンションと、キラッキラの電飾を身にまとった装いで街を闊歩するMAXは、まだまだ“進化中”だと見せつけてくれる。ちょっとバブリーなテンションだが、なぜだか親近感が湧いてしまう……。

さらに注目なのが、胸を両手で寄せる、通称「パフパフポーズ」。若い女の子がやっていたらちょっと下品な感じがするが、MAXがやっているとしっくりくる。オトナの色香ということだろうか。ふむ。そして楽曲のタイトルでもある「セルフィー」を表現した自撮りポーズにも注目。まるでスマホのインカメで自分の顔を撮影しているかのような手の動きはとてもユニークだ。

「Musical(音楽的な)」、「Active(活動的な)」、「eXperience(経験、体験)」。そんな頭文字をとったMAX。活動スタートからはやくも20年を経た彼女たちは、90年代の全盛期とはまた違った、まさに「ONNA NOW」なエネルギーに満ちていた!
(ヤマグチユキコ)
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