119番は携帯電話からかけたら遅くなる? 東京消防庁に噂の真偽を聞いてみた
緊急時にもし繋がりにくいとしたら……(画像はイメージ)

119番に電話するとき、携帯からかけると繋がるのが遅くなるという情報をネットで見つけた。一分一秒を急いでいるときに何かあったらどうなるのか。
そんな困った状況がありえるのか、東京消防庁にどういうことなのか詳しく聞いてみました。

地方は隣の消防署にかかってしまう可能性も


――携帯からだと緊急電話が遅くなるという情報をネットで見たのですが?

少なくとも東京都ではそのようなことはありません。実際に119番にかかってきている電話は現在ではほとんどが携帯電話からですが、家の加入電話と携帯電話に時間の差があるとは聞いていません。

――では携帯からだと遅くなるというのはデマでしょうか?

東京都内でかけると管轄にかかるように必ずなっているので東京では遅くなることはありえません。おそらく地方の話だと思われます。地方ならもしかしたら119番通報が大きな指令センターに引っ張られていくことはあるかもしれません。

――それはどういうことでしょう?

家の電話や公衆電話から119番にかけるときは、NTTの電話局を必ず経由しますので所在地含めてどこからかけているか所在がはっきりわかります。必ず所轄の消防本部に緊急電話がかかるようになっているからです。ただ携帯電話の場合、A消防本部、B消防本部とあった場合、AとBの中間で電話をかけてしまうと違う管轄の消防署に入電してしまう可能性があります。

地方では市町村ごとに消防をやっていますが、携帯電話だと携帯の基地局を経由するので、その基地局が消防の市町村の区切りとは違う場所にあった場合、隣の消防署にかかってしまう可能性があるということだと思います。

――それだと遅くなるということでしょうか?
もしも違う管轄の基地局を経由した場合、隣の消防本部にかかってしまうことがある。そうなったときには、かかった消防署から隣の管轄消防署に電話を転送される。
その場合には、転送の時間差がでてしまうことがあります。

うーん、そうですか。やはり場合によっては、あり得る話なのですね。公衆電話も少なくなった現在では携帯が唯一の連絡手段。最近は地局の数も増えているので可能性としては低いということでしたが、携帯電話の意外な盲点でした。
(カシハラ@姐御)
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