「ハウルの動く城」は、「わかりづらい」と言われることの多い作品。
これについて、「荒地の魔女」役の美輪明宏は、ロマンアルバムのインタビューで述べています。
「ひとつひとつ「あれはおかしい」とかいう人もいらっしゃると思いますが、ジャン・コクトーが「この作品はただ感じてもらえればいい」と申しましたように、見る人のボキャブラリーや許容力に預けてある作品なんです」
以後「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」と、観た人の感覚に委ねられる作品を、宮崎駿は作ります。

この映画で、特に見る人の解釈に委ねられているのは、ソフィーが年をとったり若返ったりするシーン。
本来は荒地の魔女に呪いをかけられているので、若い姿に戻るわけがない。じゃあなんで随所で戻るの?

ヒントになるのは、ソフィーのセリフ。
「あたしなんか、美しかったことなんか一度もないわ!」
「わたしきれいでもないし、掃除くらいしかできないから」
若返った状態から、スゥッと老婆の姿に戻ります。

年齢がころころ変わるソフィー。
若い姿、老婆の姿。どちらも演じるのは、当時63歳の倍賞千恵子

ソフィーはとにかく容姿に自信がない。
けれども映画の中の老婆姿のソフィーに対し、ハウルもマルクルも、魅力を感じています。
若いことが美しさ、ではない。
だから少女の声は、老婆側を演じる人の声じゃないといけない。

ハウルを演じるのは木村拓哉
木村拓哉が演じたキャラクターはみんな「キムタク」になる、と言われることがあります。