しかし、90年代には放送されていた「ダウンタウンのごっつええ感じ」では、毎週ダウンタウンがコントを行っていたのです。
逆風のスタートだった「ダウンタウンのごっつええ感じ」
「ダウンタウンのごっつええ感じ」は1991年の日曜8時に始まりました。当時の日曜8時は大河ドラマと日本テレビ「天才たけしの元気が出るTV」の二強であり、他の局は「捨て枠」扱いや「実験枠」扱いで思い切った番組を作っていた中でのスタートでした。
放送開始のレギュラーに篠原涼子と松雪泰子
番組開始当初のレギュラーはダウンタウン以外に今田耕司、You、吉田ヒロ、伊藤美奈子、西端弥生に加えて篠原涼子、松雪泰子がいました。
注目すべきは、現在は女優として大活躍の篠原涼子と松雪泰子が出演していたことでしょう。
篠原涼子は当時東京パフォーマンスドールのメンバーであり、松雪泰子もメンズノンノガールフレンドのモデル活動を経て芸能活動を始めた時期だったので、起用できたといえます。
今ではあり得ないコントの数々?
その後レギュラーに板尾創路やホンコンが加わり、様々なコントを生み出しましました。
人気のあったコントの一部を紹介していきましょう。
「おかんとマー君」
松本人志のお母さんがおかんのモデル。高校生の息子マー君にやたらと関わってくるが、思春期の高校生である息子のマー君がそれに反抗するさまを面白おかしく描いています。
「ゴレンジャイ」
その名の通り「秘密戦隊ゴレンジャー」をオマージュしたコントですが、ゴレンジャイは5人全員がアカレンジャイだったりして、敵であるドクロさん(浜田雅功が演じていた)から説教をされるというオチだった。5人がどんな戦隊ヒーローらしからぬ格好で登場するかがお茶の間の楽しみでした。
「キャシー塚本」
松本人志がキャシー塚本という料理研究家に扮して、お料理教室を収録するシチュエーション。
「アホアホマン」
浜田雅功が正義の心を持つ少年で、悪の組織に捕らえられるシーンからスタート。アホアホマンに助けを求めると、松本扮する正義のヒーロー・アホアホマンがやってくるのだが、アホなので助けにならないパターン。
このコントでは、なんとあの坂本龍一もアホアホマンの兄という設定で共演しています。弟よりもアホで問題な見た目をしていたため、「あの世界の坂本が!」とお茶の間に衝撃を与えました。
篠原涼子が受けたセクハラの数々
番組開始当初からレギュラーだった篠原涼子はコントの中で数々のセクハラを受けてきました。
浜田に胸を揉まれるなんて当たり前。今田耕司には股間に顔を突っ込まれたり、板尾創路やホンコンには無理やりキスをされるなどのセクハラの数々を受けています。
鼻フックをされてどれ位の時間を耐えられるかというゲームでは、アイドルにもかかわらず、鼻の穴を全開にされた姿を全国に届けていました。
突然の番組終了だった「ダウンタウンのごっつええ感じ」
「ダウンタウンのごっつええ感じ」は、大河ドラマや「天才たけしの元気が出るTV」を追い抜き、平均視聴率15.8%、最高視聴率18.9%を記録する人気番組になりました。しかし、1997年11月2日に突然番組が終了してしまいます。
理由は同年のダウンタウンのごっつええ感じのスペシャル番組の放送日が、出演者への連絡なしにヤクルト優勝決定試合に差し替えをされたこと。これに激怒した松本は収録をボイコットをしてしまいました。
当面は松本抜きで収録をしようとしていましたが、やはりダウンタウンが二人揃わないと番組が成り立たず、「ダウンタウンのごっつええ感じ」は6年の歴史にピリオドを打ちました。
当時は松本だけが激怒をして番組終了をしたという報道をされ、野球関係者や芸能関係者からも松本への批判が聞かれました。
しかし、後年に浜田は「やめるって決めたんは2人でやった」、「松本のワガママでやめたわけでもなんでもない」と語っており、浜田も番組スタッフに不満を持っていたことを明かしています。
その後、2010年には松本がNHKで「松本人志のコントMHK」というコント番組をしていましたが、ダウンタウンとしてコント番組をやったのは「ダウンタウンのごっつええ感じ」が最後となっています。
結成して30年以上経つダウンタウン。久し振りに彼らのコントを見てみたいものです。
(篁五郎)