1993年に放送された『振り返れば奴がいる』は、織田裕二と石黒賢の対立を描いた医療ドラマ(フジテレビ系列)である。
織田裕二扮する司馬江太郎は、傲慢かつ自己中心的だが、外科医としての腕はスペシャリスト。
一方、石黒賢が扮する石川玄といえば、カンザス帰りの正義感にあふれた外科医。
ドラマは司馬の独擅場である病院に、石川が赴任するところからはじまる。しかし、そんな両極端な性格もあり、二人は何かにつけ衝突し続け、ついには石川が司馬を病院から追いやってしまう。

とはいえプライベートでは、『振り返れば奴がいる』以降、織田裕二と石黒賢の2人が仲良く共演するシーンが多く見られた。

『君といつまでも』で親友をアピール


『君といつまでも』は、1993年の秋ごろに深夜放送され、石黒賢が司会を務めたトーク番組(テレビ朝日系列)。このとき、1度だけ織田がゲスト出演している。
その際、当時の人気CM『バザールでござーる』を二人して演じたほか、他局にもかかわらず『振り返れば奴がいる』の主題歌を使用したほど。異例なことだが、絆を深めた二人こそ実現できたのだろう。

映画では親友役を共演


織田裕二主演の映画『ホワイトアウト』(2000年公開)では、織田自身が石黒を抜擢したとされる。このときの石黒の配役は、『振り返れば奴がいる』とは正反対の親友役。
ちなみに石黒賢の『ホワイトアウト』での役どころは、序盤に亡くなってしまうというものだ。

織田は『振り返れば奴がいる』から数年後、スポーツ紙で石黒について「自分が唯一、ライバルと認めた存在が石黒だった」と語っている。もしかしたら石黒は、織田の人生においても『振り返れば奴がいる』的な存在なのかもしれない。


(ぶざりあんがんこ)
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