
各地域への集客の起爆剤となる「ご当地B級グルメ」。ラーメンからハンバーガー、どんぶりなど定番のものから、「なんだこれ!」となるようなビックリするものまであり多様だ。
地方がメインと思われがちだが東京都八王子市にも、ご当地グルメがあった。その名も「パンカツ」。しかも、B級ではなくC級だという。今回、パンカツの普及活動をしている日本パンカツ協会の加藤一詞さんと鳥海剛史さんにヒストリーをうかがった。

――なぜB級ではなく、「C級」グルメなんでしょうか?
加藤さん「CheapのC、CommunicationのCでもあるのですが、何よりパンカツは、食パンに小麦粉をつけて焼いただけなので、B級と言ってよいものかということもあり、C級グルメと呼んでいます」
――どうして八王子ご当地グルメになったんですか?
加藤さん「パンカツのご当地ヒストリーとしては、元々は浅草が発祥で、八王子までリヤカーで売りに来ていました。その後、八王子のお好み焼き屋でも提供されるようになり、地元に根付いていきました。現在は八王子の『やまと』『夕やけ』など5店舗ほどでしか食べられません。普及活動の一環でフェスタなどでも提供することがありますが、すぐにでも食べたいというようであれば現地に行くしかないです」
実食!こんがり焼けたパンカツはまるでとんかつ?
パンカツ提供店舗の有名店で、1958年創業と半世紀以上続く「やまと」にお邪魔した。ここでは、スタンダードなパンカツ(280円)とチーズパンカツ(430円)が食べられる。その他の店舗やフェスタなどでは、黒蜜・きなこ、明太子、ポテトが挟まったテイストが味わえるところもあるそうだ。
まずはラードを投入。ラードがとんかつ風味を高める要素のひとつ。

水で溶いた小麦粉とパン粉を食パンにつけていく。パンは、8枚切りではなく6枚切りがマスト。

こんがり焼けてきたら、ウスターソースを回しがけ。


見た目もとんかつ風だ。外は小麦粉のカリっとした香ばしさがあり、噛むとパンの凝縮感が楽しめる。ソースの味とラードのおかげで満腹感があり、ランチにも夕飯にもピッタリなお味だ。子どもはコカコーラ、大人はビールと一緒に食べるそうだ。
(松岡佑季)