もし「世界最速の音楽は?」と問われたならば、ひとまず「グラインドコア」と答えておけば間違いないだろう。

グラインドコアとは、ハードコア・パンクがヘヴィメタル(特にスラッシュメタル)とくっ付いて、極端にエクストリームな方向に発展した音楽ジャンルである。

その特徴は、ずばり「速い・短い・うるさい」。

「これ、打ち込み?」と思わず疑ってしまうレベルの高速ドラム、ザクザクと切り込んでくる攻撃的なギター、唸り・絶叫するヴォーカルが奏でる楽曲の長さは、1曲あたり1〜2分台、それ以下もザラである。聴く者の耳をボコボコにしながら、嵐のように過ぎ去っていく。
「速い・短い・うるさい」じゃあなんで聴く? 最速最凶の音楽グラインドコア

「世界で一番短い曲」でギネスに


グラインドコアを代表する、もっとも有名なバンドといえば、やはりイギリスの「Napalm Death」ということになるだろう。彼らは現在、多様なアプローチをとるバンドになっているが、その初期に発表されたアルバムはまさにグラインドコアの教科書と言っていい内容だ。

何はさておき、まずは1stアルバム『Scum』(1987年)だ。ここに収録された楽曲「You Suffer」は、世界で一番短い曲としてギネスブックに掲載されていることでも有名だ。かつて、さまざまな雑学を紹介するテレビ番組『トリビアの泉 素晴らしきムダ知識』(フジテレビ系列)で紹介されたこともあるので、ご存知の方も多いだろう。

ちなみに、こんな曲。

演奏時間は1秒台。何を言っているのかはほぼ聴き取り不能だが、一応歌詞は「You Suffer……But Why?(お前は苦しむ、でも何故?)ということになっている。