鬼才・丸尾末広原作の漫画『少女椿』が、今年5月下旬に実写映画化されることが発表されました。エロ・グロ・猟奇といった要素をふんだんに盛り込んだ同作は、一部にカルト的ファンを抱えることで知られています。


1984年に青林堂から出版された初版は、現在では入手することができないレア物としてファンの間で珍重されているんだとか。現在入手できるのは、青林工芸舎版となります。

映画『少女椿』、ファンの反応は?


これまで、アニメ化や舞台化がされてきた本作ですが、実写の映画化は初とのこと。監督と脚本は、短編映画『ミガカガミ』『イケルシニバナ』のTORICOさんが担当し、主演は今作が初の映画デビューとなる中村里砂さんに。中村さんといえば、ファッション雑誌『LARME』の看板モデルとしても大活躍中ですよね。

では、今回の映画化、原作ファンからはどんな反応があるのでしょう? その反応を探るべく、丸尾末広先生の熱狂的ファンだという女性Aさん(27歳)に話を聞いてみることに。

「丸尾先生のファンで、先生の作品は全て持っています。もちろん『少女椿』も大好き。以前、虚飾集団廻天百眼によってアングラ舞台化されたときも、観に行きました。実験的な舞台ではありましたが、やはり不完全燃焼感が残りました。
この作品は見世物小屋を舞台にした作品で、エロ描写だけでなく残虐なシーンも多い。最近は縁日での見世物小屋も減ってきている状況で、表現規制も激しいので、原作の世界観をしっかりと表現するのは困難なのでは?、と不安視しています」(Aさん)


なるほど、思い入れが強いがゆえに、不安と期待が入りまじっている様子。たしかに原作の世界観は、漫画という手法だからこそ可能になったような、かなりギリギリのグロテスクさがありますから、実写ではどこまで表現できるのか楽しみなところです。


出演する俳優陣にも注目!


また、今回の映画を彩る俳優陣については、どうでしょうか。こちらも原作ファンだという男性Bさん(51歳)に話を聞いてみることに。

「僕も丸尾末広のファンですが、有名人のなかでもファンはたくさんいます。たとえば、お笑いタレントの鳥居みゆきさんは熱狂的です。ご本人も公言していらっしゃるし、以前番組でも『少女椿』の主人公・少女みどりちゃんをオマージュした服を披露していました。
さらに鳥居さんは、自身の『狂宴封鎖的世界〜方舟〜』のポスターを丸尾先生に直談判して制作していただくなど、その熱の入れようは半端じゃない。なぜ映画に鳥居さんが出演しないのか、そこだけが不満でなりません! 鳥居さんを出してあげたい!」(Bさん)


なるほど、鳥居みゆきさんといえば美しい風貌とサブカル的な雰囲気が丸尾先生の世界観にぴったりな気がします。映画にもぜひ出演していただきたかったですね。

妖艶な男子が勢ぞろい。SuGのボーカルや風間俊介さんも出演!


もちろん、期待の声も少なくありません。『少女椿』にインスパイアされ、現在はイラストレーターとして活動しているという女性Cさん(27歳)は、こんな風に語ります。

「以前、アートユニット『明和電機』が手がけるアパレルブランド『Meewee Dinkee』が、昨年の秋冬コレクションで丸尾先生とコラボレーションをしたのです。その展示が、西武渋谷店で開催され、自分も足を運びました。
そのとき、今回の監督を務めるアーティストのTORICOさんの作品も出展されていました。それを拝見した身としては、丸尾先生へのリスペクトも感じられますし、期待したいところですね。
また、映画はその展示でカバーモデルを務めた中村里砂さんが主演です。ほかにも、ストリート・ゴシックというコンセプトを押し出したアパレルブランド『million dollar orchestrA』のデザイナーを務めるV系バンドSuGのボーカル・武瑠さんも出演するそうです。ゴシック系ファッションが好きな若者と丸尾作品は親和性が高いので、集客にもつながるのではないかと。
またジャニーズの風間俊介さんは、昭和の香りが漂う耽美でエロティックな雰囲気を上手く演じてくれそうです」(Cさん)


カルト的人気を誇る作品だけに、上映前から話題沸騰しているようですね。原作を読んだことがない人も、本作から丸尾末広ワールドに引き込まれる可能性大! 今年5月の公開を心待ちにしましょう。
(野中すふれ)
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