笑点(日本テレビ 日曜 5時30分~)、
日本テレビ史において最長の演芸番組は2016年5月に放送50周年を迎える。

笑点は暗黙の了解だらけ


放送が始まったのは1966年(昭和41年)。現在のメンバーになったのは2006年(平成18年)。

長~~~~い歴史があるだけあって、暗黙の了解だらけである。
メンバーのキャラクターをいじった答えも多い。

例えば、喜久蔵ラーメン
「喜久蔵ラーメンはマズイ」というのは単にネタだということは暗黙の了解だが、初めて見た人にとっては「おいしい・マズイ」以前に「落語家がラーメンってなによ?」だと思う。
50周年「笑点」生ミイラ、泥棒、競馬、ラーメン、独身、腹黒、ふなっしー、座布団…暗黙の了解を解く
2月7日放送・第2501回、お題【見たいものとは】

まぁ、暗黙の了解が多いからと言ってハードルが高いわけではない。
分からなくても面白いし、10年前から言っていることはほぼ変わらないので何度か見れば分かるようになってくる。(現在huluで2006年の第2017回までさかのぼって見ることができる。第2017回は昇太が新メンバーとして加入し現メンバーになった回。10年前なのに見た目が変わらない!)

笑点はキャラクターを知れば知るほど楽しい


全てのバラエティに言えることだろうが、出演者のキャラクターを知れば知るほど番組は楽しい。
基礎知識としては、番組公式サイトのプロフィールと、以下を抑えておけば良いだろう。

桂歌丸…司会。「笑点」第一回からのメンバー。ジジィ、ハゲ、生ミイラなどとネタにされる。

三遊亭小遊三…悪人、女にモテモテ、というキャラ設定。
三遊亭好楽…競馬好き。仕事が少なく苦労した時期も。自宅の1階に寄席(しのぶ亭)を作り営業している。
林家木久扇…与太郎(おバカ)キャラ。喜久蔵ラーメンを売っている。
春風亭昇太…永遠の一人身。チビといじられることも。
三遊亭円楽…腹黒、友達がいないというキャラ設定。歌丸をディスるブラック団の団長。
林家たい平…生まれ故郷は秩父、大月出身の小遊三と大月秩父代理戦争をしていた。師匠はこん平。

山田隆夫…座布団と幸せを運ぶ。元・ずうとるび(アイドルグループ)のメンバー。

50周年「笑点」生ミイラ、泥棒、競馬、ラーメン、独身、腹黒、ふなっしー、座布団…暗黙の了解を解く

小遊三「小さな引越しをしました」
歌丸「どうでした?」
小遊三「夜逃げですけど」

(2月7日放送・第2501回、お題【小さなセレモニーやイベントに参加したことを報告する】)

泥棒、夜逃げ、食い逃げ…等のワードで笑いを取る三遊亭小遊三の悪人キャラは単に「指名手配犯に似ている」というところから発生したキャラクターである。

歌丸「ちょっと早く起きなさいよ」
円楽「…と、(妻の)ふじ子は声をかけたが歌丸は二度と起きてこなかった」

(2月21日放送・第2503回、お題は【なかなか布団から出ない夫に「早く起きなさい」という妻に返事をする】)

大師匠である歌丸をメンバーがディスりまくるのも「舞台の上で萎縮されると困る」という歌丸自身の考えとメンバー同士の信頼関係があるからこそ生まれる笑いだ。
メンバーの中で特に失礼なのが三遊亭円楽。
これも若手時代にネタに困っていた円楽に歌丸が「俺のことでもいいから」とアドバイスしたことがきっかけなんだとか。
50周年「笑点」生ミイラ、泥棒、競馬、ラーメン、独身、腹黒、ふなっしー、座布団…暗黙の了解を解く
2月14日放送・第2502回、お題【漢字音訓小噺】

2016年。これまでの座布団推移表を作ってみた


歌丸「良い答えには座布団をあげます。悪いと取ります。10枚ためた方には笑点50周年にふさわしい超ものすごい賞品をご用意しておりますので、頑張って下さい」」

参考までにと今年に入ってからこれまでの座布団推移表を作ってみたが、何の参考にもならないことに気がついてしまった。順調にためていったとしても、いっきに0枚になったり、いっきに増えたりするからだ。
今年みごと10枚ためるメンバーは出るのだろうか。
そして「超ものすごい賞品」とはいったい。
50周年「笑点」生ミイラ、泥棒、競馬、ラーメン、独身、腹黒、ふなっしー、座布団…暗黙の了解を解く

演芸ドキュメンタリー番組、笑点。本年もよろしくお願い申し上げます」
2016年最初の放送(第2496回、1月3日放送)で歌丸師匠が言った言葉である。

(イラストと文/小西りえこ)
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