日本人になじみのある味噌汁を、マルコメがかわいくしちゃったという。味噌汁がカワイイって、一体どういうことだろう。
正直、味噌に可愛さって必要あるのだろうか? 
「カワイイ味噌汁」は東京・ロンドン・パリで「カワイイ!」と叫んでもらった声(その数なんと2023回!)を聞かせて作られた味噌を使用しているという。しかもカップ味噌汁として商品化しただけでなく、「カワイイ味噌汁」専門店をも出店してしまったらしい。いろいろ気になったので、実際に行ってみた! 
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」


「カワイイ味噌汁屋さん」は、東京・原宿の観光案内所「もしもしボックス(MOSHI MOSHI BOX)」内に、2016年1月18日~4月30日までの期間限定でオープンしている。
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

お味噌汁の種類は定番のほかに、店舗限定のオリジナルメニューが取り揃えている。固定メニューは8種類、すべて100円(税込)だ。しかも外国人観光客は無料なのだという。

味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

「海外の方には定番のお味が人気です」と話すのは、スタッフの恒川(つねかわ)さん。外国人観光客に人気の「THE 味噌汁味」は、油あげ、ワカメ、ネギといったスタンダードな具材が入っている。
原宿店はターゲットの若い女の子が訪れるほか、近隣に勤める人がリピーターになっている。飽きさせないようにと固定メニューに加え、週変わりのメニューも用意。取材に伺った週は「キャットストリート味(ツナ缶/コーン/たまご)」が週替わりメニューだった。
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

シーチキンとお味噌の味が溶け合って、濃厚なお味は洋食のようでもある。


味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

一番人気はバター+コーン+ベーコンの具材にお好みでポップコーンを追加できる「表参道味」。
お味噌汁とポップコーンってどうなのだろうかとも思ったが、お味噌汁を吸ったポップコーンはお麩のような食感! あれ、なんだかおいしいぞ。
「家でもやってみよう、っていうお客様もいらっしゃいます」と恒川さん。確かに、インパクトがあるけれど手軽で味も美味しいので、自宅でもマネしやすいかもしれない。

それにしても一体どうして「カワイイ味噌汁」を商品化して、原宿に期間限定で出店もすることになったのだろうか? マルコメの広報担当者にお話を伺ってみた。

――「カワイイ味噌汁屋さん」がオープンするまでの経緯を教えてください
「現在、味噌の生産量は、年々微減傾向にあり、味噌汁や味噌を食べる方が減っています。
その中でも、特に若い世代(20代くらい)の方々が味噌汁を飲まなくなっている、というのも一つの理由です。
そんな若い世代の方にもっと味噌汁を身近に感じていただきたいという思いから、若者があふれる原宿で、『カワイイ味噌汁屋さん』をオープンさせました。
また今回のプロジェクトは『ASOBI SYSTEM』さんとのコラボ企画で、 アソビさんが原宿のもしもしボックスで観光案内所をしており、この施設に併設する形となっております。観光案内所併設のため、外国人観光客の方もいらっしゃり、外国人の方には1杯無料でご提供しております」

たしかに最近は食事の時に必ず味噌汁を飲む、というような機会も減っている気がする。「カワイイ」は海外にまで輸出される勢いだし、外国人観光客の皆さんに知ってもらういい機会かも。

味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」


――カワイイ味噌汁屋さんの味噌汁の具と名前はかなり個性的ですが、どのように検討して採用となったんですか? 惜しくも選考で漏れたものがあれば教えてください。


「原宿という土地なので、個性的かつ面白みあふれるトッピングです。 マシュマロやジェリービーンズなども試作しましたが、惜しくも落選しました」
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」


原宿店でいただいたポップコーンは意外な美味しさだったが、マシュマロやジェリービーンズ……勇気あるチャレンジな気がする。

味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

――カワイイ味噌汁屋さんのターゲット層からの反応はどうですか? それ以外の年齢層からの反応は?
「原宿という土地柄、高校生から20代にかけての女性のお客様が多くいらっしゃいます。お客様からは、ポップコーンをトッピングできる表参道味など、ユニークな味もお試しいただいており、『意外とあう!』『家でも試してみたい!』などうれしい声をいただいております。
それ以外の世代のお客様にもご来店いただくことも少なくなく、『味噌汁を飲むとホッとする』『この寒い時期にいいね』と好評です。 どの世代の方にも、『カワイイ味噌汁屋さん』という一風変わったネーミングと店舗のかわいさに驚かれています」

また、カップの「カワイイ味噌汁 原宿味」を出した狙いは、「飲みやすく、手に取りやすい、味噌汁を身近に感じていただきたいからです。
マルコメちゃんのマグネット付きで、見た目も中身の具材などにもこだわった商品」。数量限定で販売しているのだという。

というわけで、最後に「カワイイ味噌汁 原宿味」を食べてみた。「原宿味」というのだが、いったいどんな味なのか想像もつかない。この商品に使われている味噌が、製造過程でカワイイという言葉を聞かせ続けたものだ。

外見はこんなかんじ。
パッケージもカワイイ!
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

中に入っているものはこちら。
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

お湯を入れてみると、
味噌汁にポップコーンを入れるとウマい! 原宿「カワイイ味噌汁屋さん」

ホウレンソウ・お麩、カマボコ、たまごが具材として入っていた。カワイイと聞かせて作られたお味噌のお味はというと、白みそ系で塩気がそれほど強くなく、お出汁と玉子の甘味を感じられる優しい味わいだった。

取材協力 マルコメ http://www.marukome.co.jp/

(すがたもえ子)