カレーの具といえば、何を思い浮かべるだろうか。ニンジン、タマネギ、ジャガイモあたりが定番だが、茨城県土浦市ではレンコンをカレーに入れているとか。
東京都心部から一時間強で行ける距離にある土浦市は、レンコンの日本一の生産量を誇る。街を歩いてみると、看板のあちらこちらに「レンコン」の文字が書かれている。
市内で30店舗以上がツェッペリンカレー提供
土浦市には1929年、ドイツの大型飛行船「ツェッペリン伯号」が寄港した際、カレーを乗組員に振る舞った歴史があるという。また海軍予科練の街として栄えており、毎週金曜日にカレーを食べるという習慣があった。
こうした土浦市の歴史を活かした食によるまちづくりを目指して誕生したのが、「ツェッペリンカレー」だ。特産品のレンコンが具材に使われている。町おこしの一環として市内だけでも30店舗以上でツェッペリンカレーが提供されている。
今回は、「土浦C-1グランプリ」3連勝をしており、77年の歴史があるレストラン中台で、「幻の飯村牛とレンコンのビーフシチューカレー」をいただいてみた。ランチ時には行列ができる人気店だ。
たくさんの野菜の中に、レンコンも発見。
カレーとレンコンの相性が気になるかもしれないが、これがかなりウマイ。ルーはブランド牛である飯村牛と野菜の旨味がぎゅぎゅっと凝縮された味わいで、レンコンはしゃきしゃきとした食感。
レストラン中台の3代目オーナーシェフ中台義浩氏にお話を伺った。
――レンコンカレーへの想いを教えてください。
「私は子どもの頃から土浦に住んでいます。かつては茨城の代表的存在で、人の交流もあり都会的な街でした。しかし昨今は、つくばの発展もあり、市街から来る人も減少傾向。シャッター商店街も増えてきています」
土浦の街並み。ふと見てみると、シャッターが閉まったままの店舗も。
「そんな状況をどうにかしたい、また盛り上がった土浦の街にしたいと思っています。そのために、全国の人に『れんこん日本一は土浦市』ということを知ってもらいたいですね。また地元民でも土浦のレンコンカレーの浸透度はまだまだなので、もっと市内の方にも知ってもらいたいです」
――今度は、レンコンカレーを通してどんなことをしてみたいですか?
「全国の人に土浦のことを知ってもらい、レンコンカレーだけではなく、レンコンラーメンやレンコンコロッケなど、食べにきてもらいたいです。当店だけ人が集まればよいということは全く考えてなく、土浦でレンコン食品を提供している30店舗超のお店を食べ歩きしてもらえるようなことをしたいですね。
【レストラン中台】
住所:茨城県土浦市桜町2-12-3
営業時間
ランチ 11:30~13:30(LO)
ディナー 18:00~21:00
(松岡佑季)