ピビンバパンにピビンバワッフル……韓国全州のピビンバがすごいことになっている
こちら伝統的な全州ピビンバ


韓国料理・ピビンバは、ごはんの上に様々なおかずを並べ、ごま油やコチュジャンとともによく混ぜていただく伝統的な食べ物だ。ピビンバで有名な町といえば全州(チョンジュ)市だが、このたび映画祭のために訪れたところ、本家のピビンバがすごい方向に進化していたので報告したい。


ご飯とパンの謎のハーモニー、ピビンバパン


韓屋村に位置するパン屋「マムズ・ブレッド」では、パンの中にピビンバが入った「ピビンバパン」なるものを1年前から発売している。パンとご飯という二大炭水化物の共演、果たしてその味は?

ピビンバパンにピビンバワッフル……韓国全州のピビンバがすごいことになっている
ピビンバパン2500ウォン(約250円)。見た目はカレーパンを連想させる


説明によると、牛肉と椎茸、モヤシ、卵、ワラビ、干し大根、そしてコチュジャンによるピビンバが、パンの中に入っているという。ちなみにパン生地にもこだわっており、乳酸菌を入れ長時間低温熟成させているとか。

ひとくちほおばると、ふんわりサクッと焼きあがったパンの中に、ぐっちょりとよく混ざった辛口のピビンバが登場! 新しいハーモニーというよりは、まさにパンとピビンバを同時に食べるような味が口の中に広がる。

全州だからか、ピビンバ自体の味は美味。それは間違いない。パンもパン屋だけあり本格派だ。
とはいえパンを食べているのかピビンバを食べているのか認識が追いつかず、心が落ち着かない側面も。

しかし食べているとだんだん脳が慣れてきて、これはこれでありかもと思えてきた。朝はパン派という人と、朝はピビンバ派という人が朝食を共にする時、おすすめしたい一品である。

ピビンバパンにピビンバワッフル……韓国全州のピビンバがすごいことになっている
パンの中からモヤシ類がにょろりと出てくるのが新感覚


ちなみに韓屋村では、このピビンバパンの他、「ピビンバコロッケ」なる商品も数年前から有名だ。韓国の昔ながらのコロッケといえば、日本のコロッケとは違い、カレーパンのようなパン生地に様々な具を入れた料理。つまりピビンバコロッケもピビンバパンと似たようなものと考えて良い。


パンには飽き足らず、ワッフルまで?


そしてもうひとつ、全州には何と「ピビンバワッフル」まで存在するという。甘いワッフルで辛いピビンバをはさむのだろうか? 今度の今度こそ、全く味を想像できないのだが。

ピビンバワッフルを販売するカフェ「トゥイモ」は、韓屋村の隣、滋満(チャマン)壁画村という山合いの集落にあった。入り組んだ細道に民家が並ぶ、難易度の高い立地にも限らず先客が数組おり、人気のほどが伺える。

ついにご対面したピビンバワッフルは、まさかのおしゃれビジュアル。

ピビンバパンにピビンバワッフル……韓国全州のピビンバがすごいことになっている
ワッフルで野菜を巻いてある

ピビンバパンにピビンバワッフル……韓国全州のピビンバがすごいことになっている
背中から見るとワッフル感が増す


食べてみて驚いた。
ワッフル部分は甘い焼き菓子ではなく、なんとコチュジャン味のごはんをワッフル型で焼き上げたものだった。カリカリで香ばしいご飯の皮に、野菜や肉やチーズが包まれた様子は、まさにタコスやブリトー。中身がピビンバなのではなく、外側がピビンバだったのだ。

がっかりグルメを期待する気持ちもなくはなかったが、これは美味! ふたつ4000ウォン(約400円)で、軽いお昼にちょうどいいボリュームとなっている。

次々と生まれる全州のB級グルメ、今後とも要チェックである。この勢いだと、次はピビンバドリンクとかガリガリ君ピビンバ味とか登場するのではなかろうか。

(清水2000)