
予測変換から読み解く人間関係
ゆとりが去ってまたゆとり。ドラマなのだから当たり前だが、坂間(岡田将生)とその後輩山岸(太賀)のパワハラ問題が一応収まるところに収まったかと思えば、今度は山路の元に実習生佐倉(吉岡里帆)の彼氏と名乗る男、静磨(北村匠海)が乗り込んでくる。
今回はまず何よりも静磨が携帯の予測変換を駆使して山路の存在を発見したのが衝撃的だった。そんな視聴者の驚きをそのまま山路から話を聞いた坂間たちがリアクションしていたのがまた気持ちいい。とはいえ、そう短絡的に結び付けるのもなー、でも静磨の短絡的な性格は数分間の登場で嫌というほど伝わったからいいのか、なんて考えていたらラストでこの予測変換が再び登場するというニクい演出!
濃くなってきた”宮藤作品らしさ”
宮藤作品にしては珍しい社会派だけあって、最初の頃はかなりシリアスだったこのドラマ。しかし第4回ともなると、セリフの一語一句に宮藤脚本らしさが染み込んできた感じを受ける。白昼堂々山路を糾弾しに来た静磨が山路を「やまみち」、教諭を「きょうろん」と呼び続けていたのもそのひとつ。「鳥の民」バイトリーダー(矢本悠馬)の「名札にニックネームと小粋なメッセージ書いたほうがいいっすか」も絶妙だった。シリアスの中の笑い、これこそが宮藤ドラマの醍醐味!
終盤には坂間がまりぶと妹・ゆとり(島崎遥香)の関係を目撃している。妹・ゆとりはいわゆる”意識高い系”の大学生で、これまで就活に真面目に取り組みインターンに通いもしたが、まりぶと出会い「ガールズバーでおっぱい出してる方がかっこいい」と言い出す(そしてガールズバーではおっぱいは出さないことをまりぶに鋭く指摘される)。若い女子がやたら水商売に憧れる感じがいかにも現代的だ。
(釣木文恵)