2016年6月22日、日本を代表するロックバンド「LUNA SEA」がニューシングル「Limit」をリリースする。同楽曲は、アニメ『エンドライド』(日本テレビ系)の主題歌として、その世界観をイメージして書きおろされたナンバーだ。
音源として彼らの新曲が発売されるのは約2年半ぶりということもあり、ファン待望の一曲となるだろう。

1990年代から日本のバンドシーンを牽引し、今年の年末には、さいたまスーパーアリーナでのライブを予定するなど現在も活発な動きを見せるLUNA SEAだが、過去に「終幕宣言」をしていたことをご存知だろうか?

LUNA SEAの始まりは1989年


LUNA SEAが現メンバーで結成されたのは1989年のこと。それぞれ同じ高校に通っていたSUGIZO(Gt.)と真矢(Dr.)、INORAN(Gt.)とJ(Ba.)、ここにボーカルのRYUICHIが加わり、LUNA SEAが誕生した。インディーズ時代は、“狂気”を意味する「LUNACY」という表記だったが、メジャーを意識しLUNA SEA(月と海)に改名したことはよく知られている。

その後、セカンド・アルバム『IMAGE』を引っさげ1992年にメジャーデビュー。1992年に『LUNA SEA CONCERT TOUR 1992 AFTER THE IMAGE』のツアーファイナルとして日比谷音楽堂でライブを行うなど、デビュー当時から桁違いの人気を誇っていた。

ヒットチャートを飛ばしまくった90年代


1994年に発表されたシングル『ROSIER』『TRUE BLUE』を含む3rdアルバム『MOTHER』は、LUNA SEAの真骨頂とも言える一枚。SUGIZO、INORAN、Jと、作曲者によってまったく異なる個性を放った楽曲ながら、どれも「LUNA SEAにしか作れない」と感じさせる。

その後、1996年のライブではツアー総動員数12万人を達成。まだ当時は「ヴィジュアル系」というジャンル自体が驚きをもって受け入れられた時代だったこともあり、LUNA SEAが世間に与えたインパクトは現在では想像できないほど大きかったのだ。

突然の“終幕”の宣言に悲嘆するファン


1989年から現在までの26年間、オリジナルメンバーで駆け抜けてきたLUNA SEAだが、その道のりが決して平坦なものでなかったことは、容易に想像がつく。バンドという形で、何年もの間生活をともにするというのは並大抵の努力でできることではない。とくに、5人の強い個性がギリギリのところで均衡を保っていたLUNA SEAの場合、なおさらだろう。

それを象徴するのが、2000年11月8日に14thシングル『LOVE SONG』がリリースされたとともに発表された「LUNA SEA“終幕”宣言」である。デビュー当初から2000年まで勢い良く駆け抜けてきたLUNA SEAには、あまりにも早すぎる「終幕」だった。


12月26日、27日に東京ドームに開催された『LUNA SEA THE FINAL ACT TOKYO DOME』では、終幕発表以前にウェブサイトで行われた楽曲投票がセットリストに反映された。そのラストナンバーが、現在でもラストの定番曲である「WISH」であったことは、「活動を再開して欲しい」というファンの願いとオーバーラップするものだった。

このライブを最後にLUNA SEAは終幕。その後は、メンバー5人がそれぞれソロ活動をスタートさせた。個々人の技能が高いメンバーは、ソロ活動を通じてさらなる高みへと昇っていく。熱狂的なファンは、その間も彼らのソロ活動を支えてきたのだ。

復活から現在まで


2007年7月末、オフィシャルサイトに特設ページが開設され、1カ月後の皆既月食を目指したカウントダウンが始まった。ファンは、ここでLUNA SEAの復活に胸が踊ったことだろう。それ以降も安定した活動はなく、事実上の活動休止期間であることは否定できなかった。

しかし2010年、ようやくLUNA SEAは復活。結成21周年目となる2010年5月29日、突如サイトに「REBOOT!=再起動」の文字が現れた。そこからの活動は、私たちが知っている通りだ。
新曲のリリース、年末のライブ。今年も彼らが何をやらかしてくれるのか? 歳を重ねながらも、衰えることを知らない彼らの今後に目が離せない。
(野中すふれ)
画像はamazonより Limit(通常盤)LUNA SEA ユニバーサル ミュージック
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