昨年は日本テレビ系ドラマ「ど根性ガエル」でカエルのピョン吉の声を担当するなど、演技の幅という点でも右に出る女優はいない。
しかし、実はキャリアのわりには女優として遅咲きの満島ひかり。女優活動を本格化する前は、アイドルとして活躍していた。
アイドルとしてデビューした満島ひかり
満島ひかりのデビューのきっかけは、沖縄アクターズスクール主催の「安室奈美恵with SUPER MONKEY’Sオーディション」で優勝したこと。
その後、7人組ユニット「Folder」に「HIKARI」名義で参加し、1997年にシングル「パラシューター」でデビューし、10万枚以上のヒットを記録した。当時、満島は中学生だ。
「Folder」は2000年に5人組ユニット「Folder 5」へ改組。3rdシングル「BELIEVE」はフジテレビ系アニメ「ONE PIECE」のオープニングテーマに起用されヒット。
その後、Folder5としてのシングルは2002年の「MY MIRACLE」以来販売されておらず、事実上解散状態となった。
ちなみに、2016年5月に放送された「トットてれび」第4話の歌唱シーンでは、「Folder」のメンバーであった三浦大知がチャールズ・チャップリン役で満島と共演し、デュエットを披露していた。
素顔も分からないようなメイクと演出だったが、「Folder」当時を知る人にとっては胸が熱くなる場面だったのではないだろうか。
女優としての転機
満島が女優として評価されていく転機となったのは園子温監督の映画「愛のむきだし」(2009年)。助演を務めた満島は当時23歳で、女優としてはほぼ無名だったという。
とはいえ、それ以前にも隠れた名作はある。2006年公開の映画「デスノート」だ。
人気コミックの映画化としてヒットしたこの作品は、名前を書かれた人間が死ぬノート「デスノート」を手にした夜神月を藤原竜也、月と頭脳対決する探偵Lを松山ケンイチが演じ、藤原、松山にとっても代表作となった映画だ。
「デスノート」で満島ひかりは月の妹、夜神 粧裕を演じている。1997年の「モスラ2 海底の大決戦」以来約10年ぶり、まだ2本目の映画出演だった。粧裕はキャピキャピした普通の女子高生で、印象的なセリフはないが、出演シーンは多い。
今の満島ひかりの個性派なイメージとはかけ離れた役どころだが、存在感は光っている。
2016年秋には、続編「デスノート Light up the NEW world」の公開が決まっており、再び「デスノート」がじわじわと注目を集めている。満島ひかりの初々しい演技に注目して10年前の映画「デスノート」を観返してみるのも面白そうだ。
(空町餡子)
※イメージ画像はamazonより満島ひかり「aura」ver.2.1