沢口が主催する、おなじみの「リッツパーティー」はもう見られないのか、とSNSでも話題になっていた。今回はその懐かしい「リッツ」のCMを振り返ってみよう。
ヤマザキナビスコのリッツは消滅
ヤマザキナビスコ社は山崎製パンの子会社だ。1970年にアメリカのナビスコ社、日綿実業との合併により設立、ナビスコブランドの商品生産を開始。1988年、ナビスコを子会社化し、ナビスコを傘下にもつモンデリーズインターナショナル(アメリカ)からナビスコブランドのライセンスを受けた。
そのライセンス契約が2016年2月で終了したことに伴い、8月末で「リッツ」「オレオ」「プレミアム」「チップスアホイ」の4商品の製造が終了した。9月から「ヤマザキビスケット」に社名変更した。
リッツCMが提案した「オンザリッツ」と「リッツパーティー」
「リッツ」はヤマザキナビスコの看板クラッカーだった。
リッツといえば沢口靖子、沢口靖子といえばリッツ。「科捜研の女(テレビ朝日系)」、土曜ワイド劇場の「西村京太郎サスペンス 鉄道捜査官(テレビ朝日系)」などと同様、「リッツ」は沢口の代表作といえそうだ。
1991年のCMは、三つ編みヘアの沢口がモダンジャズをBGMに、沢口が「オープンザリッツ」「オンザリッツ」と言いながら、リッツを片手でつまむ。クリームチーズ、アスパラガス、キャビア、ゆで卵、いくらなどが見た目よくトッピングされているリッツ。そしてシャンパンとクリームチーズ、オリーブ……。友達一家が訪れる。
ドラマでは検事や刑事といったかたい職業の役が多い沢口だが、リッツパーティーではにこやかに友人を迎え入れ、もてなす。リッツは仲間を広げるツールなのだ。
好きな具材をもちよれば準備も簡単だ。「外国風のホームパーティーがしたい」とパーティーへの憧れを誘った。
誰でもどこでも簡単にできるリッツの様々な楽しみ方を提案
1992年には、日本での20th Anniversaryとして沢口靖子、後藤久美子、加山雄三が、ドレスとタキシード姿でそろってCMに出演した。加山雄三は、沢口が出演する以前に「リッツ」のCMに、後藤久美子は「オレオ」のCMに出演していた。
リッツで具材をはさむリッツサンドや、ディップを添えたり、簡単スイーツ、料理まで。円形のひと口サイズの塩味クラッカーのリッツは、他の食材との相性がいい。「そのまま食べたり、つけて食べたり、のせて食べたり、こんな美味しさ、初めて!」「何にでも合う」などと、沢口はいつもウキウキとテンション高くリッツを紹介してきた。
リッツを誰と、どんなシチュエーションで、どうアレンジするか、様々な楽しみ方を提案してくれたCMだった。
主催者、会社が変わっても引き継がれる「リッツパーティー」
沢口は9月から新たに「ヤマザキビスケット」の新クラッカー「ルヴァン」「ルヴァンクラシカル」のCMに登場している。一人ソファに座ってビスケットを食べながら、心はフランスに飛んでいる。ルヴァンパーティーは今のところ開かないようだ。
一方、ヤマザキナビスコで製造販売していた「リッツ」「オレオ」「プレミアム」の3商品は、9月に新たにモンデリーズジャパンから発売された。
それに伴う新たなイメージキャラクターとして、「リッツ」のCMは俳優の長谷川博己が出演し、リッツパーティーも開いている。リッツパーティーはなくならない。長谷川博己が開催するリッツパーティー、今後の展開が楽しみだ。
(佐藤ジェニー)
※イメージ画像はamazonより沢口靖子 別冊スコラ