こんな歌を知っているだろうか。
「バナナ兄弟 パジャマ着て/2人階段 降りてきた/仲良し友達 くまさんと/鬼ごっこ 大好き つかまえた!」
これは、NHKで90年代前半に放送されていた子供向け番組『バナナ イン パジャマ』のオープニングテーマ。
魔法の世界カドルスタウンに住むいたずら好きなバナナの双子・B1とB2が、友達のくまのエイミーやルル、モーガン、そして近所でショップを営むねずみのラット君たちを巻き込みながら、彼らの日常に起こる問題を解決していくというストーリーだ。パジャマを着たバナナ……ってよく考えると結構シュールなのだが、見た目のインパクトは絶大。現在でも根強いファンが多く、Instagramなどを覗くとオリジナルのグッズを作ったり、ネイルアートにB1やB2を描く女性も見かけるほどだ。
そんななか、9月下旬におもちゃメーカーのイワヤからB1とB2のぬいぐるみが発売されることが決定(通販サイト『ソプラノ』などで取扱い)。さまざまなメーカーが出展している「クリスマスおもちゃ見本市」でもひときわ異彩を放っていた『バナナ イン パジャマ』コーナーで、イワヤ株式会社営業課の加藤さん、開発課の水野さんにお話をうかがった。
――すごく懐かしいキャラクターなんですが、今このタイミングで発売したのは……?
加藤 『バナナ イン パジャマ』は元々オーストラリアで放送されている作品なんですが、今でも現地では大人気コンテンツなんですよ。現地在住の方にその噂を聞いた弊社の社長から、日本でも再ブームになる可能性があるからうちで商品化してみたらどうだろう?と提案があったんです。そこでまずはテスト的にオーストラリアで売っているぬいぐるみを輸入・販売してみようということで、本国と交渉が始まりました。それと並行して、国内でどのくらい認知度があるのかをリサーチしていたんですが、20代後半から30代前半くらいの女性の方が特に“熱い”んですよね。ハロウィンにコスプレをする人もいらっしゃいましたし、海外から輸入したシーツなんかをリメイクして、子供服やバッグなどを手作りされる方も多いんです。
――ちなみに、番組は本国ではどのくらい人気があるんでしょうか?
水野 日本で90年代に放送されていたのは着ぐるみを着た“CLASSIC”と呼ばれるバージョンなんですが、実は今オーストラリアでは絵柄のかわいらしいCG版が放送されているんです。このCG版は2015年第4四半期の幼児番組のなかでは平均視聴率34%と、すごく認知度の高いコンテンツですね。当初このCG版のぬいぐるみを商品化する話もあったんですが、本国でもCLASSIC版は根強い人気があるそうですし、何より昔日本で番組を観ていた方々がピンと来ないと思うんですよ……。
――日本の『ドラえもん』みたいな感じで、昔と今のが絵柄的に別モノというか。本国のオーストラリアで、そこまでウケてる理由ってなんなんでしょう?
加藤 日本でも、ポケモンだったりミニオン、ふなっしーですとか黄色いキャラクターには人気に火が着きやすいと言われているんですが、パジャマを着てるバナナっていうのが、万国共通でインパクトが強いんじゃないかっていうのはリサーチしていて感じます。あとは幼児番組なので、暴力的なシーンがなくて子供たちに安心して見せられるというのも、番組が長く続いている理由の一つみたいです。海外のコンテンツって「本当にこれって子供向け?」と思うような過激なシーンが含まれているものもあるんですけども。
水野 毎回必ず何か問題が起こるんですけど、それを仲間たちとポジティブに解決していくというのが番組のコンセプトで、そこも受け入れられているんじゃないかと思いますね。お店をやってるねずみのラット君はちょっと悪賢い子だったりするんですけど、最終的にはいい方向にお話が転がっていくので。
――あと、くまのお友達とかすごいおしゃれなんですよね。
水野 エイミー、ルル、モーガンは本当におしゃれさんですよね。今の子供がこういうファッション着ててもかわいいと思いますし。あとよく見ると、彼らが住む家のインテリアも今っぽいんですよ。時々B1とB2がいろんな仮装で出てくるのも、シュールでかわいいんです。
――今回はLサイズとSサイズのぬいぐるみが発売されますが、この先はどんなアイテムが出てきそうでしょうか?
水野 今回の商品は輸入したものなんですが、今後はうちのオリジナル商品、主にぬいぐるみ関係を作っていけたらと考えています。
加藤 やはりこの双子が強烈に印象に残ってる方が多いと思うんですよね。番組のタイトルを思い出せなくても“しましまのパジャマ着たバナナ”は覚えていたり、あのオープニングテーマをそらで歌える、という方はかなりいらっしゃるので。まずはこの2人のグッズの商品化を進めていけたらと思っています。
日本語版Wikipediaすら存在しないのに、じわじわ再ブームのきざしが来ていることをSNSが証明したこの『バナナ イン パジャマ』。NHKには未だに再放送を望む声が寄せられるも今のところ放送の見込みは立っていないというが、キュートなグッズからリバイバル人気に火が点く可能性がある、のかも?
(古知屋ジュン)
「バナナ兄弟 パジャマ着て/2人階段 降りてきた/仲良し友達 くまさんと/鬼ごっこ 大好き つかまえた!」
これは、NHKで90年代前半に放送されていた子供向け番組『バナナ イン パジャマ』のオープニングテーマ。
魔法の世界カドルスタウンに住むいたずら好きなバナナの双子・B1とB2が、友達のくまのエイミーやルル、モーガン、そして近所でショップを営むねずみのラット君たちを巻き込みながら、彼らの日常に起こる問題を解決していくというストーリーだ。パジャマを着たバナナ……ってよく考えると結構シュールなのだが、見た目のインパクトは絶大。現在でも根強いファンが多く、Instagramなどを覗くとオリジナルのグッズを作ったり、ネイルアートにB1やB2を描く女性も見かけるほどだ。

オーストラリア生まれのいたずら好きなバナナの双子男子、B1とB2が主役の『バナナ イン パジャマ』。
(C)Australian Broadcasting Corporation 2016.
Original song by Carey Blyton.
Manufactured by Jasnor(Australia)Pty Ltd
Under licence from the
Australian Broadcasting Corporation.
(C)Australian Broadcasting Corporation 2016.
Original song by Carey Blyton.
Manufactured by Jasnor(Australia)Pty Ltd
Under licence from the
Australian Broadcasting Corporation.
そんななか、9月下旬におもちゃメーカーのイワヤからB1とB2のぬいぐるみが発売されることが決定(通販サイト『ソプラノ』などで取扱い)。さまざまなメーカーが出展している「クリスマスおもちゃ見本市」でもひときわ異彩を放っていた『バナナ イン パジャマ』コーナーで、イワヤ株式会社営業課の加藤さん、開発課の水野さんにお話をうかがった。

イワヤから発売されるB1とB2のぬいぐるみLサイズ(体長46cm/各4100円税別)。Sサイズ(体長22cm/1体2200円税別)もあり。
20代後半~30代前半の女性に人気
――すごく懐かしいキャラクターなんですが、今このタイミングで発売したのは……?
加藤 『バナナ イン パジャマ』は元々オーストラリアで放送されている作品なんですが、今でも現地では大人気コンテンツなんですよ。現地在住の方にその噂を聞いた弊社の社長から、日本でも再ブームになる可能性があるからうちで商品化してみたらどうだろう?と提案があったんです。そこでまずはテスト的にオーストラリアで売っているぬいぐるみを輸入・販売してみようということで、本国と交渉が始まりました。それと並行して、国内でどのくらい認知度があるのかをリサーチしていたんですが、20代後半から30代前半くらいの女性の方が特に“熱い”んですよね。ハロウィンにコスプレをする人もいらっしゃいましたし、海外から輸入したシーツなんかをリメイクして、子供服やバッグなどを手作りされる方も多いんです。
――ちなみに、番組は本国ではどのくらい人気があるんでしょうか?
水野 日本で90年代に放送されていたのは着ぐるみを着た“CLASSIC”と呼ばれるバージョンなんですが、実は今オーストラリアでは絵柄のかわいらしいCG版が放送されているんです。このCG版は2015年第4四半期の幼児番組のなかでは平均視聴率34%と、すごく認知度の高いコンテンツですね。当初このCG版のぬいぐるみを商品化する話もあったんですが、本国でもCLASSIC版は根強い人気があるそうですし、何より昔日本で番組を観ていた方々がピンと来ないと思うんですよ……。

1992年の放送開始から、来年で25周年を迎える『バナナ イン パジャマ』。2011年には画像のCLASSIC版から、現在放送されているCG版に番組が移行している。 (C)Australian Broadcasting Corporation 2016. Original song by Carey Blyton. Manufactured by Jasnor(Australia)Pty Ltd Under licence from the Australian Broadcasting Corporation.
――日本の『ドラえもん』みたいな感じで、昔と今のが絵柄的に別モノというか。本国のオーストラリアで、そこまでウケてる理由ってなんなんでしょう?
加藤 日本でも、ポケモンだったりミニオン、ふなっしーですとか黄色いキャラクターには人気に火が着きやすいと言われているんですが、パジャマを着てるバナナっていうのが、万国共通でインパクトが強いんじゃないかっていうのはリサーチしていて感じます。あとは幼児番組なので、暴力的なシーンがなくて子供たちに安心して見せられるというのも、番組が長く続いている理由の一つみたいです。海外のコンテンツって「本当にこれって子供向け?」と思うような過激なシーンが含まれているものもあるんですけども。

『バナナ イン パジャマ』の魅力を「シュールで面白いし、とにかくインパクトがあるんですよね」と語る、商品開発担当の水野さん。
水野 毎回必ず何か問題が起こるんですけど、それを仲間たちとポジティブに解決していくというのが番組のコンセプトで、そこも受け入れられているんじゃないかと思いますね。お店をやってるねずみのラット君はちょっと悪賢い子だったりするんですけど、最終的にはいい方向にお話が転がっていくので。
――あと、くまのお友達とかすごいおしゃれなんですよね。
水野 エイミー、ルル、モーガンは本当におしゃれさんですよね。今の子供がこういうファッション着ててもかわいいと思いますし。あとよく見ると、彼らが住む家のインテリアも今っぽいんですよ。時々B1とB2がいろんな仮装で出てくるのも、シュールでかわいいんです。

9月に行われた「クリスマスおもちゃ見本市」での『バナナ イン パジャマ』コーナー。動画放映や、ダンスとゲームが好きなくまのエイミーなど仲間たちを含めたキャラクター解説なども。
子どもにオリジナルグッズを作ってあげている人も
――今回はLサイズとSサイズのぬいぐるみが発売されますが、この先はどんなアイテムが出てきそうでしょうか?
水野 今回の商品は輸入したものなんですが、今後はうちのオリジナル商品、主にぬいぐるみ関係を作っていけたらと考えています。
あと日本でこの作品を観ていた世代だとお子さんがいらっしゃる方が多くて、Instagramでもお子さんにオリジナルのマスコットを作ってあげたりしている方を結構見かけたので、将来的にはベビー用品もありなんじゃないかと。くまのお友達とか仲間たちのグッズは、まだ先の話かなと思います。
加藤 やはりこの双子が強烈に印象に残ってる方が多いと思うんですよね。番組のタイトルを思い出せなくても“しましまのパジャマ着たバナナ”は覚えていたり、あのオープニングテーマをそらで歌える、という方はかなりいらっしゃるので。まずはこの2人のグッズの商品化を進めていけたらと思っています。
日本語版Wikipediaすら存在しないのに、じわじわ再ブームのきざしが来ていることをSNSが証明したこの『バナナ イン パジャマ』。NHKには未だに再放送を望む声が寄せられるも今のところ放送の見込みは立っていないというが、キュートなグッズからリバイバル人気に火が点く可能性がある、のかも?
(古知屋ジュン)
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