宇宙飛行士を目指す兄弟を描いた漫画『宇宙兄弟』。
この作品の主人公である南波六太(以下ムッタ)は作中において、「ほぼ全ての人間から好かれる」という稀代の人たらしの一面が御座います。非常に気難しい登場人物の多い『宇宙兄弟』ですが、ムッタは物語を通じてこれらの人たちに認められ、好かれていく場面が多くありました。
しかし、一方で好意を寄せている伊東せりか(以下セリカ)からは、作品の後半になるまで、異性としては全く見てもらえず、他の女性からも「異性として」好意を寄せられる場面は見受けられません。
ムッタの恋愛での評価は典型的な「いい人」。
恐らくムッタが漫画の世界ではなく現実の世界にいたとしても、いい人なのに女性からはモテないでしょう。
ムッタが女性からモテないのはなぜか
ムッタは作中で多くの人間から好かれることからも分かる通り、非常に「いい人」であるのはまちがいありません。
・問題が起これば積極的に解決に動く行動力
・やるべきことはしっかりとやる責任感
・人の悪口を言うこともなく、良いところをしっかりと見つける観察力
どれをとっても人から好かれる魅力に溢れており、たとえムッタが現実にいたとしても、彼を嫌う人はそうそういないことでしょう。ときには上司や教官の意向に背くこともありますので、やや面倒な奴と思われることはありますが、その行動に責任を持ち成果を出しているのですから、上司の評価も高い部下であると言えます。
ムッタが現実にいたらモテない理由その1 ~超奥手~

画像出典:Amazon.co.jp宇宙兄弟(23)
しかし、恋愛となれば話は別で御座います。
残念ながらムッタは現実にいたら、まず間違いなく高確率で「いい人なんだけど……」とみんなから言われてしまう男性です。
彼が「いい人止まり」の最大の理由は何といっても「超奥手」であるということ。
好意を持っているセリカをデートに誘うことも無ければ食事にも誘わない。
というのも、セリカがとんでもなく鈍感な性格とはいえ、ムッタは「異性としての好意」を全くもって示していないのです。
これではムッタに対して「異性として」ドキドキを感じる女性はおりません。
女性がドキドキを感じるためには「異性として好き」というアピールが必要不可欠なので御座います。
ムッタが現実にいたらモテない理由その2 ~リスクが大きすぎるアピール方法~
ムッタのように「異性として好き」ということを伝えることが苦手な男性は現実でも少なくありません。
例えばそんな方がコンビニの店員の女性に好意を持ったとしましょう。
コンビニに行けばいつでもその女性に会うことが出来るので、多くの男性は「良い客」になることに執着をし、「異性としての好意」を示すどころか、徹底的に「異性としての好意」が無いように振る舞います。
「異性としての好意」を示して、客と店員という関係が終わってしまうことを何よりも恐れてしまう。その心理は誰にでもある心理で御座いますが、そのままでは永遠に関係が進展しないのも事実で御座います。
とはいえ、ここで終われば「良い客」のままなのでまだ良いのですが、こういう状態に陥った男性と言うのはたいていの場合、どんどん追い詰められていき最終的に「最もリスクの高い異性としての好意の伝え方」を行ってしまいます。
それが「告白」。
これまでただの「良い客」であった男性が急に「異性として告白」をしてくるのです。
このような方法の何が悪いかと言えば「いきなりリスクが高い手段に出る」というところに問題が御座います。
恋愛においては何事も「段階」というものが存在致します。その中で「告白」のようなリスクの高い手段は、もっとずっとリスクの低い方法を繰り返してから行うべき手段であり、玉砕覚悟で急に行うべき手段では御座いません。
さて、ムッタの場合を考えてみましょう。
ムッタは基本的に物凄く奥手なのですが、たまにとんでもなくリスクの大きい「アピール」を行う傾向に御座います。
もっとも顕著なのが「空にハートマークを描く」というアピール。

NASAの航空訓練で飛行機の操縦をしていたムッタはセリカのために、飛行機で空にハートマークを描きましたが、この方法は先ほどの告白と同じか、それ以上にリスクが高い行動と言わざるを得ません。
マンガではセリカがハートマークに気が付かなかったので(後に気が付く)事なきを得ましたが、もしもセリカがその場で気付いてしまっていたら、感激をするよりも「急に大きなアピールをされて、とりあえず引いちゃう」可能性の方がずっと高かったでしょう。
また、この手段にはもう一つ致命的な点が御座います。
それは「1対1」ではないということ。
ムッタの方法は「空にハートマークを描く」なんていう超大掛かりなもの。つまり近くにいる全ての人にムッタのアピールは見られてしまいます。
事実、セリカは一緒にいた同僚の北村絵名やアマンティ・パテルに「自分がアピールされている姿」を見られてしまいました。
人の好意を受け入れて、自分も好意を示すというのは恥ずかしくて勇気がいるもので御座います。
ですので、そんな状況であれば、どれだけ好意があったとしてもそうそう簡単にアピールに応じることは出来なかったでしょう。
自称「不運な男」であるムッタは超ラッキーだった!?
ムッタはこのように「異性としての好意」を全くもってセリカに示さないまま、宇宙飛行士としての道を歩んでいくことになりますが、セリカとの関係を大きく変える事件が発生します。
セリカが目標にしていた国際宇宙ステーションが廃止になりそうになり、その存続を賭けた活動をムッタが行ったことで、セリカはムッタに対して少なからず好意を抱いていくようになりました。
不運を自称しているムッタが超ラッキーなのは、セリカが「ムッタのハートマーク」に気が付いたのがこの事件の後であったということ。
もし、この事件より前にセリカが「ムッタのハートマーク」に気が付いたら、かなりの確率で少なからず距離を取られてしまったことでしょう。しかし、非常にラッキーなことに大きな事件で、セリカがムッタに好意を寄せ始めた後に、彼女はムッタのハートマークに気が付きました。
ムッタのハートマークに気がついたとき、セリカは顔を赤らめますが、もしこの事件より前に気が付いてしまっていたら、赤らめるどころか驚愕で少し顔が青くなっていたかもしれません。
ムッタに学ぶ恋愛の教訓
~リスクの高いアピールの前に、軽いアピールを日ごろから繰り返すこと!~
上野

都内某所のラブホスタッフ
皆様に彼氏彼女を作って頂きラブホテルへご来店頂くため、恋愛相談を行っています。