彼らの共通点は何か分かりますか? そう、仮面ライダー出身のいわゆる「ライダー俳優」たちです。
しかしいつの頃からかライダーベルトは、藤岡のような男くさい無骨な漢ではなく、今風のイケメンが腰に巻くアイテムへと変化。テレビの前のチビッ子のみならず、世のお母様方をも虜にし続けているようです。
この仮面ライダーのイケメン化は、2000年、テレビ朝日を制作局として11年ぶりに放送されたテレビシリーズ、通称「平成仮面ライダーシリーズ」から始まりました。その記念すべき第1作目が『仮面ライダークウガ』。主演に抜擢されたのはオダギリジョー。当時まだ無名の23歳でした。
人気俳優の仲間入りを果たしたオダギリジョー
オダギリジョーは、岡山県出身の現在40歳。幼少の頃より演劇の世界を志し、1999年に舞台俳優としてデビュー。クウガ役に決まったのは、その僅か1年後ということになります。本人的にはリアルな芝居がやりたかったため、しぶしぶ出たということですが、本作のヒットによって、一躍、注目の若手俳優に。
その後は、2003年の『アカルイミライ』、2004年の『血と骨』、2005年の『メゾン・ド・ヒミコ』と、話題作に多数出演して実績を重ね、今や日本を代表する俳優へと成長したのはご存知の通りです。
BSフジの番組のMCを担当していた
そんな『仮面ライダークウガ』でのブレイクから俳優として大成するまでの期間、オダギリジョーにバラエティタレントとして活躍していた時代があったことは、あまり知られていません。代表的な出演番組は2本。
1本目が、2000年12月のBSフジ開局と同時に放送を開始した『週刊BSデジタルマガジン』。こちらは、BSフジで放送されるコンテンツのPR番組で、オダギリはMCを担当。投げキッスの動きをしながら「GETチュー!」という決め台詞と彼のユルめの司会が好評を博し、3年間以上続く人気番組となりました。
爆笑問題に弄られていたオダギリジョー
もう1本は、2001年4月2日から放送された、日本テレビ系列局の深夜番組『秘密の爆笑大問題』。この番組は爆笑問題の2人と渡辺正行が、日本中のちょっと変わったニュースを伝えていくという趣旨になっており、オダギリはコメンテーター的立ち位置で参加。ここでも、持ち前のユルさと脱力感を活かした「世の中に興味のないキャラ」という斬新なキャラクター設定のもと、よく他の出演者にいじられていました。
また「オダキリジョーのこの町来い来い!」というピンのコーナーも持ち、爆問・リーダーに引け劣らない存在感で、番組を盛り上げていたと記憶します。
しかし、この『秘密の爆笑大問題』の後継番組、『秘密の超爆笑大問題』が2002年9月23日に終了したのと同時に、「バラエティタレント・オダギリジョー」は休業。順調な俳優業のかたわら、2016年10月の現時点で活動再開の目処はありません。
もちろん、今の、いかにも大物個性派俳優然とした佇まいのまま、もう一度、爆笑問題と絡んだり、「GETチュー!」とおどけたとしたら、かなりの違和感なのですが、90年代後半~00年代前半にテレビっ子だった世代としては、堪らない絵面になるのは間違いありません。ぜひ、オダギリジョーのそんなチャーミングな一面をもう一度見たいものです。
(こじへい)
※イメージ画像はamazonより実写―オダギリジョー写真集