そして2回連続、容疑者がドキッとするような事を言って、動いた目線で証拠品を見つけるなんて……。

ぼちぼち高視聴率をキープ中の日曜劇場『IQ246〜華麗なる事件簿』(TBSテレビ系・日曜21:00〜)。知能指数の高さをタイトルにしちゃうくらいだから、完全犯罪と思えるような難解なトリックをハイレベルな推理で解き明かしていくドラマなんだと思ってたんだけど、どうもそうじゃなかったようですね。
これまで本格推理ドラマという目線で観ていたため、「完全犯罪」とうたっているわりにどうにもこうにもゆる〜いトリックばかりでイライラしてしまっていた。
しかし、個性的なキャラクターたちがドタバタしつつ、何だかんだで事件を解決していくサスペンス風味のアクションコメディなんだ、くらいの認識に変えてみると普通に楽しいドラマなのだ。
織田裕二の演技は笑えるし(さすがにだいぶ慣れたけど)、土屋太鳳ちゃんはバカ。おディーン様は無意味にアクションシーンを披露してくれてカッコイイ。そしてサイコな監察医を演じている中谷美紀もカワイイし……。別に謎解きなんてなくてもいいじゃん!
というわけで、トリックに関しては今回も言いたいことがいっぱーいあるんだけど、とりあえず置いといて、それ意外のポイントについてレビューしていきたいと思います。
おディーン様がかっこよければトリックなんてどうでもいい!
第3話は、おディーン様演じる執事・賢正の高校時代の同級生で、恋愛関係にあったと思われるカリスマ主婦モデル・滝乃川美晴(観月ありさ)がゲスト犯人。
美晴は「お金しか信用できない」ということで、お金持ちと結婚するためなら何でもやってきたという。その結果、大金持ちの不動産会社社長と結婚して、現在はセレブ生活を満喫しているのだ。
このあたり、2015年に「フェラーリ社長」という異名がついているくらい成金感のある建築関連会社社長(上原さくらの元・旦那)と結婚し、以降、妙にセレブな空気を放つようになった観月ありさ自身を思わずにはいられない設定だったんだけど、まあ関係ないので置いておこう。
さて、美晴の旦那は、社長室で巨乳秘書を膝の上に乗せ、乳をペロペロしているようなエロ&バブリーすぎる社長で、美晴と離婚してこの不倫相手に財産を譲ろうとしていることがバレて殺されてしまう。
でもこの事件の殺害トリックとか、その解決方法とかはどうでもよくて、かつて恋愛関係にあった美晴を守るために法門寺沙羅駆(織田裕二)の元を去って行った賢正と、そんな賢正にジェラシーを燃やす沙羅駆という構図が今回の最大の見どころだろう。
これまでも、明らかに常軌を逸した沙羅駆の行動をすべて受け入れてしまう賢正の姿からは「主人×執事」以上の深〜い関係性が漂っていたが、ここにきてストレートに同性愛を臭わせてきた!(沙羅駆いわく「もっと崇高な関係」とのことだが)
結局、賢正が沙羅駆の元を去ったのも、美晴の犯行を暴くため沙羅駆の指示でやったことで、
「私が沙羅駆様を裏切ることなど絶対にありません」
とのことだが、そのわりには「私より、あんな女の方が大事なのね! キーッ!」みたいな、沙羅駆の嫉妬演技(?)が真に迫りすぎている感じが。
特に、
「たったひとりの女のために、私の元を去るとは愚の骨頂だ」
「恋をしたことのないアナタには分かりませんよ」
「勝手にしたまえ」
というやり取りでは、キャラを作りすぎていて気持ち悪いとネットで評判の沙羅駆の口調がすっ飛んで、素の織田裕二口調が出てしまってたよ!
沙羅駆が何歳という設定なのかは謎だが、これまでも「いい歳なのに結婚しようとしない」という描写があったように、「恋をしたことのない」というキーワードは、沙羅駆にとって「やらせとはいえ、それ言っちゃう!?」という禁句なのだろうか?
そして、沙羅駆に対する賢正の思いも明かされた。
「私はお仕事として沙羅駆様にお仕えしているわけではありません。沙羅駆様の人間としての器、そしてご恩返しとして、私の人生をお預けすると決めたのです」
人生を預けちゃうくらいの恩って、一体どんなことがあったのだろうか? この辺も今後明らかになっていくのだろうから楽しみにしたいところ。
「BLっちゅうのが流行ってるらしいから、そういう要素もちょいと入れておこうぜ」くらいの感じで付け加えられた要素じゃないといいけど……。
第3話は「沙羅駆×賢正」以外にも、前髪を下ろしたプライベートモードや、美晴との過去の恋愛に思いを馳せるアンニュイな賢正を堪能できたし、盗聴犯を捕まえるだけなのに過剰すぎるアクションを披露してくれたりと賢正大活躍回で、おディーン様ファンには堪らない内容だったのではないだろうか。
最近、寝てるだけの土屋太鳳ちゃんもどうにかして欲しい
こんな感じでおディーン様の魅力大爆発の第3話だったわけだが、それにしても今回のトリックは……まあいいか。
「完全犯罪」であるはずなのに、穴がありすぎるトリックの犯罪ばかりが登場するこのドラマにおいて、唯一のまともな「謎」と言えるのが、黒幕である「13」こと「M」の正体は誰かということ。
今回は、「M」の異名が「マリア・T」であることが明かされていた。「13」こと「M」こと「マリア・T」って……ややこしいよ!
やはり、シャーロック・ホームズシリーズに登場する敵役・モリアーティ教授=マリア・Tってことなんでしょうな。
そしてマリア・T=M・T。
今回は「M」が、パソコンについているカメラなどから、ネット経由であらゆる場所を監視していると思しき描写もあったが、沙羅駆級の頭脳を持つ謎のスーパーハッカーが沙羅駆に挑戦してきているというセンもあるのだろうか?
まあそれにしても、今のところ出てきている登場人物の中で沙羅駆と張り合える頭脳を持っていそうなのは森本朋美くらいだけど。
とりあえず今夜放送の第4話のゲスト犯人は国仲涼子、そして第5話には成宮寛貴が登場することが予告されている。ゲストは豪華なんだけどなー、ゲストは……。
もうちょっとちゃんとしたトリック……はあんまり期待しないけど、最近寝てばっかりの土屋太鳳ちゃん大活躍回には期待したいところです!
(イラストと文 北村ヂン)