芸能界デビューから今年で42年。御年61歳。
未だに自分語り一つでこれほど注目を浴びるのは、彼が人気者だからという単純な理由だけでなく、タモリ同様、どこかミステリアスな存在だからでしょう。
11月26日。『誰も知らない明石家さんま 初のロングインタビューで解禁!』(日本テレビ系)が放送されました。「バラエティに感動の涙は要らんねん!」が口癖で、常々、安易なお涙頂戴を批判してきた男が素顔を晒し、感動秘話まで披露したのだから、話題になるのは致し方ないこと。
その感動話の一つとして大きな反響を呼んだのが、島田紳助についてのエピソードです。

島田紳助への想いを告白した明石家さんま


「島田紳助についてどう思っているか?」そう問われたさんまは、何となくうつろな表情を浮かべました。さんまと紳助は、同学年で同期デビュー。若手のときから苦楽を共にした仲であり、いわば戦友といえる間柄です。そんな深すぎる縁で結ばれた過去を振り返り、少し思慮深げになったのでしょう。その表情のまま、さんまは答えます。

「同期でいてくれて、お互い認め合いながら、けなし合いながらこれたのは、非常に幸せだったなと思います」

さらに、紳助が戻ってくる場所はここしかないと思い、今年9月に終了した『さんまのまんま』を2年延ばして放送したことも告白。男同士の熱い友情に、心震わせた人は多かったはずです。

親友・さんまについて語っていた島田紳助


思えば、今から10年ほど前。島田紳助と松本人志が共演した日テレのトーク番組『松本紳助』で「芸能界における親友は誰か?」という話題になった際、紳助は「オレは、やっぱり、さんまかなぁ…」と発言していました。


紳助曰く、さんまは「めったに会わへん」関係なのだとか。もちろん、不仲というわけではありません。お互い知りすぎている仲ゆえ、一種の照れくささが2人の間には漂っているようです。
実際に、テレビ局でたまたまばったり遭遇してしまったときなどは、お互い「何やお前!」「お前こそ何や!」みたいなやり取りに終始し、会話にならなかったといいます。

さんまを絶賛した島田紳助


本人の前では素直になれない紳助も、後輩・松本の前では終始饒舌に、この親友について語っていました。「ありがたいと思うよ、同期に優秀な人がいてくれて」と言ったかと思えば、「たくましい、強いねん!ものすごい立派な男やで!!」と、ありったけの賛辞を述べています。
もともと、紳助は繊細で落ち込みやすい性分。自分とは対照的に、一種の図太さをもつさんまに対し、畏敬の念を禁じえなかったのでしょう。

さんまの強さについてこんなエピソードがあります。若かりし日のさんまと紳助が余興をしに行ったある日のこと。そこはヤ○ザの集会所だったそうです。漫才をしても全くウケず、客席からすごまれるばかりで、ビビって何も言えなくなる紳助。
そんな相方を尻目に、さんまは「こっちはプロやぞ!」と怒鳴り返していたといいます。

このように全く異なる性格の2人。だからこそ、お互いにない感性と才能をリスペクトし合え、プライベートな関わりはなくとも気持ちと気持ちで繋がった“親友”でいられたのでしょう。最後に、『松本紳助』で紳助はこんなことも言っていました。

「俺はあいつが芸能界で、落ち目になるのを見届けてから引退したい」

あれから10数年。その願いも、『さんまのまんま』での共演も叶いませんでしたが、いつしか親友同士、テレビカメラが回っていようがいまいが、思い出話に華を咲かせて欲しいものです。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonより本人vol.11
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