関西人は「中濃ソース」に馴染みがない?

たこ焼き、お好み焼きなど、それぞれに使い分けるほどソース文化が発達している関西。しかし、意外にも「中濃ソース」を知らないという人が少なくないとTwitterで話題になっている。


ソースの種類が多い関西


きっかけは漫画家の横山了一さんがTwitterに「関西にはソースの種類がありすぎる」と自作の漫画をアップしたこと。神戸にある妻の実家で、ウスターソース、とんかつソース、お好みソース、たこ焼きソース、焼きそばソースが出てきて「いったいソース何種類持ってんの!?」「関西のソースの種類無限のごとし」と驚く横山さんの姿が描かれている。

この漫画で他にも注目を集めたのは冒頭で横山さんが妻に向かって「中濃ソースはないんだよね?」と語りかけている場面。ソースの種類がこれだけ多くあるのに関東圏で超メジャーな中濃ソースがないことにネットでは「えっどういうこと?」といった声があがった。

中濃ソースの定義とは?


「東京のうちでは焼きそばもたこ焼きも、お好み焼きもとんかつも中濃ソースだぜ」といった声が多く、関東圏では万能ソースとして使われる中濃ソース。ブルドックソースやカゴメの製品などがお馴染みだろう。

農林水産省ではソースの分類を具体的に示しており、ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s未満のものを「ウスターソース」。Pa・sとは「パスカル秒」のことで粘度の単位。粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のものを「中濃ソース」。粘度が2.0Pa・s以上のものを「濃厚ソース」(とんかつソース)と位置づけている。

日本能率協会総合研究所のマーケティング・データ・バンクが発表した「味の地域差に関する調査 2005 (料理編)」では、全国10エリアの主婦に調味料170品目について、普段料理に使うものを調べている。その中のソースの使用率を種類別にエリア比較したデータによると、「中濃ソース」は、北陸・新潟より北東の東日本で使用率の高く、特に宮城・福島〜首都圏にかけては約7割だった一方、阪神圏、岡山・広島、四国では約2割と極端に低く、西日本ではほとんど使われていないという。
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