四カ国麻雀をはじめとするマニアックな密室芸をこなした往年のタモリは、確かに「何をしでかすかわからない」危険なオーラをまとっていた。
ならば当の江頭2:50はどれだけ危険な人物だったのか。90年代の活躍を中心に振り返ってみたい。「江頭2:50」という芸名は酒を飲むと深夜2時50分に覚醒し、暴れだすのでつけられた。
江頭2:50の名を広めた番組とは
江頭2:50の名を広めたのは『浅草橋ヤング洋品店』(テレビ東京系)、通称「浅ヤン」であろう。ヨガの師匠と江頭が水中の素潜り耐久時間を競う企画が行われ、江頭がヨガの師匠に勝利したことでシリーズ化した。
途中、潜りすぎで水恐怖症になるほどであったが、最後のチャレンジで4分14秒という大記録を成し遂げる。この時、江頭は失神しており自力で浮上できず、スタッフが救出に向かうほどであった。まさに命がけのチャレンジだ。
全裸で降板になった「ボキャブラ」
その後、江頭2:50は同じ大川興業所属のコンタキンテと「男同志」なるコンビを結成する。『タモリのボキャブラ天国』(フジテレビ系)シリーズに出演し、暴走キャラとしてブレイクするも、ある時からぱったりと番組へ出演しなくなった。
これはスポンサーが見学に訪れた収録の場で、江頭が全裸になり番組を降板させられたためだ。これまでも江頭はたびたび番組内で裸になっており、事前に制作会社の社長から直々に「今日は脱ぐな」と注意を受けていたが、それを「ネタフリ」と勘違いしての事件であった。
トルコで大騒動を起こした江頭2:50
江頭の"活躍"は世界にもおよぶ。1997年にはテレビの企画で、トルコのレスリング大会の前座に出演。そこで全裸になり肛門にデンデン太鼓をさし、腰を振って音を出すパフォーマンスを行ったところ、観客からの怒りを買った。
観客は暴徒と化し、江頭を襲いかねない状況にまで発展したため、江頭はトイレに身を潜め、その後警察の取り調べを受けたという。
この企画は『ザ・道場破り!』(テレビ東京)で行われたものだが、お騒がせ番組の代表格であった『進め! 電波少年』(日本テレビ系)が「トルコの江頭はウチではありません」と釈明テロップを出すほどの騒動となった。
同年には、プライベートでも事件を起こした。認可前のバイアグラを入手した江頭2:50は、中野のパブでホステスを前にバイアグラ5錠をウイスキーの水割りで飲み干し卒倒し、救急車で運ばれた。場合によっては死にかけない危険な行為だ。
「いいとも」で起きた橋田壽賀子キス事件
きわめつけは2001年7月の、橋田壽賀子キス事件であろう。
『笑っていいとも!』(フジテレビ系)に乱入した江頭。レギュラー出演者の橋田壽賀子がトルコへ行った話をはじめると、先述のとおりトルコで事件を起こしていた江頭はそれを遮るようにキスをしたのだ。
番組終了後、プロデューサーとともに橋田の楽屋へ謝りに行く江頭。橋田は「気にしていない」と言うも、そこには正座をさせられたディレクターの姿があったという。以降、江頭は「いいとも出禁」となり、最終回直前となる2014年3月12日に13年ぶりに出演を果たした。
江頭2:50は1988年デビュー、今年で芸歴29年目のベテランながら、過激さは衰える気配がない。
※イメージ画像はamazonより江頭2:50のピーピーピーするぞ!2 逆修正バージョン~ノークレーム・ノーリターン~ [DVD]