
ネットゲームを舞台にしてた大人気作品「ソードアートオンライン」。
アニメ化、映画化、ゲーム化と様々な展開をした本作品ですが、今回はそんな作品の主人公であるキリトこと桐ヶ谷和人が現実にいたらモテるのか、ということを考察させて頂きます。
そもそもキリトはどうしてモテたのか?
キリトは作品の中で多くの女性から好意を寄せられました。全員を取り上げるとあまりにも多すぎるので、今回はアニメの一期だけで考えてみましょう。

明確に好意を示しているキャラだけで「アスナ」「サチ」「シリカ」「リズベット」「リーファ(直葉)」の5人。
この5人がキリトに対して好意を持った理由はいくつか御座いますが、その根本には「キリトが圧倒的な戦闘力を持っていた」ということが極めて重要な要素になっております。例えばシリカであれば、彼女のピンチにキリトが参上したことが極めて重要なきっかけになっておりますが、彼女を救えたのも、彼女が"失ったもの"を取り戻す方法を知っていたのも、キリトが極めて高い戦闘能力を持っていたからに他なりません。
もちろん、仮に高い戦闘能力を持っていなかったにしても、それはそれでシリカやアスナなどに好かれることは出来たでしょうが、それは戦闘力を持っている場合と比較して極めて難易度が高いのです。
例えばサチの場合、戦いを怖がっている彼女に対して、キリトのように圧倒的な戦闘力があれば「俺が守るよ」というだけで済むのですが、もしキリトのように戦闘力がない場合は「俺が守るよ」と言ってもなかなか信用し安心してもらうことは出来ません。もちろん戦闘力がない男性が本気で守ると言ってくれるのは嬉しいのですが、能力がないと「この人は本気で言っている」ということすらなかなか信用してもらないのです。逆に能力があると、全然本気で言っていなくても、相手が勝手に「この人本気だ」と信用してくれるもの。このあたりの現実のシビアさは残念ながらゲームとは違うと思った方が良いでしょう。
また「圧倒的なステータス」には様々な魅力があるのですが、その中でもあまり言われていないものの、ものすごく重要な点として「出会いの数」ということが挙げられます。
例えばアスナですが、キリトが最強のステータスを持っていなかったとしても、アスナがキリトに好意を持った可能性は十分にあるでしょう。昼寝の素晴らしさを伝えるためにはステータスなど全く不要ですし、キリトの語る「ヴァーチャル世界のあり方」もステータスとはそこまで関係のないものでした。
ですが、キリトのステータスがもし低かったらということを考えると、おそらくはキリトとアスナは出会うことすらありませんでしたし、仮に出会っていたとしても、キリトの言葉にアスナが耳を貸すとも思えません。ソロでトップを張る人間の言う「ヴァーチャルも重要だよ」と、始まりの街で過ごしているただの1プレイヤーの言う「ヴァーチャルも重要だよ」は全く評価が違います。
皆様にも心当たりがあることと思います。スポーツでも芸術でも仕事でも、なんでも良いのですが世の中でステータスと呼ばれるものを築いた方というのは、たいてい何を言っても「深い言葉ですねえ」と評価されますし、多少の社会常識がなくても「やはり成果を残す方というのは」というように許されるのです。
キリトは現実ではモテるのか
キリトがモテている最大の理由がネットゲームにおける「圧倒的なステータス」であったことは間違いございません。
ですので「SAO」などのVRMMORPGが無い現実世界において彼がモテるのはかなり難しいと言わざるを得ないのですが、ステータス以外の点で彼の特徴を考えると、確かに魅力的でモテる面も御座います。
例えばキリトは頻繁に命がけで女の子を守りますが、圧倒的なステータスがあるからと言って、誰もが命を投げ出して誰かを守ることが出来るわけでは御座いません。それもまた彼がモテる要因になることでしょう。

しかし、キリトはモテる能力や特徴を持っている反面、極めて大きなモテない特徴があるのも事実。
何よりも大きな問題として、コミュ障ということが挙げられるでしょう。
特に、物語の序盤、アインクラッドでクラインと出会った頃のキリトはかなりコミュ力に問題があったと言わざるを得ません。
キリトは友達を紹介すると言ったクラインに対して、かなり怪訝な顔をしたかと思えば、作戦会議でチームを作れと言われた時も最後まで誰にも声をかけることが出来ずに残る。
物語が進むごとに彼のコミュ障は改善され、ファントム・バレット編(ガンゲイル・オンライン)になることには「見ず知らずの他人(シノン)に声をかける」ということが出来るくらいにはまで、コミュ力は成長しておりましたが、キリトが現実にいた場合、このコミュ障という欠点が治るかということも重要になるでしょう。
というのも彼は基本的に、特に初期の頃は「相手が何かをしたから、自分もそれに対応する」というのが基本スタンス。自分から相手にアプローチをすること、誰かを口説くということが無いのです。シリカもリズも直葉もサチもアスナも、基本的にはキリトが好意を示すより先に向こうから好意を示してくる。しかし現実では基本的にほとんどの場合において、どんなイケメンでもモテ男でも、ある程度「男性から好意を示す」ということをしないと女性と付き合うのは難しいのです。

キリトは端的に言って、圧倒的すぎるステータスがモテの根本にあると言わざるを得ません。
彼がもしステータス的に高くなかったら、彼の行動のほとんどは実現しなかったでしょうし、言葉にも全く重みが出なかったことでしょう。
これは極めて重要なこと。つまりどんな素晴らしいセリフを言えるようになったとしても、自分のステータスがある程度高く無いとそれを信用してもらうことすら出来ないのです。
(上野)