制作スタジオ「ヤオヨロズ」の取締役で、アニメーションプロデューサーも務める福原慶匡インタビューの後編では、人気の秘密も探っていく。
(前編はこちら)

福原慶匡(ふくはらよしただ)。4月から放送の「ラブ米(ラブコメ)」では総合プロデューサーを担当。「お米を擬人化した作品で、『けものフレンズ』ではやらなかったメタやパロディがいっぱいです(笑)」(福原)
疲れている大人も癒される作品を目指した
──「けものフレンズ」を作る上で、「こういう作品にしたい」といった全体的な方針のようなものはありましたか?
福原 夕方とかに放送したら、大人も子供も観てもらえるような作品にしたいと思っていました。そういうアニメって、今はあまり無いですよね。そう考えた時に思い浮かんだのは「アイカツ!」なんです。僕が「アイカツ!」を好きな理由って、観ているとすごく癒されるというか。娘を見ているような感じになるんですよね。(主人公の)いちごちゃんに対するやましい気持ちとかは全然無くて(笑)。遠くからほんわかとした気持ちで見守る感じ。
──いちごちゃんたちが頑張っている姿を見られるだけで、幸せになりますよね!
福原 そうそう! 観ていて、どんどん自分の心が洗われていく感じがすごく良いんです。「けものフレンズ」も、頑張って働いて疲れている大人も癒される作品にしたいというテーマは、かなり初期からあって。そこはクリアできていると思います。しかも、たつき君が深みや苦味も加えてくれて。本当にすごく良い作品になっていると感じています。
──作品の深みを楽しむという点では、「考察班」と呼ばれるファンの存在も大きいですよね。フレンズの細かな仕草と動物の生態の類似点や、隠された伏線を見つけてはSNSなどに投稿することで、作品の人気や注目度がさらに高まりました。