
「この警視庁捜査第一課長、小野田義信の目を見て答えろ!」
オープニングで長谷川博己の目のクローズアップから徐々に引いていくショットがあったが、これは『半沢直樹』のオープニングとまったく一緒。期待していた視聴者へのサービス的な意味もあるのだろう。
『半沢直樹』が銀行という巨大組織の中で、上司たちの裏切りに遭いながら主人公・半沢直樹がバンカーとして自分の正義を貫く話(復讐成分多め)だとすると、『小さな巨人』は銀行よりも巨大な警察という組織の中で、長谷川演じる主人公・香坂真一郎が自分の正義を再発見してそれを貫く話、ということになる。
警視庁4万人の現場警察官の最高峰・捜査一課長を目指していた香坂だが、取り調べのトラブルによって所轄に左遷されてしまう。所轄で待っていたのは出世とは無縁の泥臭い刑事・渡部(安田顕)と無気力な刑事たちだ。
そんな折、ゴーンバンク(ソフトバンクっぽいネーミング)社長・中田(桂文枝)の誘拐事件が発生する。所轄の刑事たちのリーダーになった香坂は、渡部と協力して事件の解決に挑むが……というお話だった。今後、ストーリーは警察という組織内部の暗闘と、外部で発生する事件の解決を並行して描いていくことになるだろう。
香坂の上司にあたる捜査一課長、小野田義信(香川照之)は当然ながら、香坂と対立していくことになる。第1話からクセモノっぷり全開。エンディング間際でぶっ放した「この警視庁捜査第一課長、小野田義信の目を見て答えろ!」は小野田の決めゼリフになっていく予感がする。