あらすじ
ゴールデンのレギュラーを惜しくも逃し、スパークスは勢い失ってしまい家賃を下げるために徳永(林遣都)は引っ越しをする。そんな中、相方の山下(井下好井・好井まさお)は、百合枝(高橋メアリージュン)との間に子供ができた事で、大阪へ帰ろうと思うと徳永に打ち明ける。二人は解散を決め、事務所に報告をする。

バイトやったら負けやぞ!
仕事が減り、家賃を払うために山下はバイトを始めようか迷っていた。自転車で走り去る山下に徳永は「バイトやったら負けやぞ!」と声を掛けた。これは、一度芸で食べられるようになったのに、バイトをしたら引き下がった事になる。プライドを持って芸で食っていけということだろう。
お笑い芸人でも役者でもミュージシャンでも何かを志す者にとって、バイトというのは基本マイナスの行為だ。例えばバイトでコンビニ店員を装ってしまえば、その間は芸人でも役者でもミュージシャンでもなくなってしまう。バイト中は、本来のあるべき姿からかけ離れてしまうのだ。つまり、バイトをすればするほど芸人は面白くなくなり、役者は演技が下手になり、ミュージシャンはギターが下手になるということだ。徳永の「そんな時間あるならネタ書くわ!」というセリフは、そういう思いがあるに違いない。
徳永が黒髪に戻した理由
最後のライブを前に、徳永はトレードマークの銀髪を染め直して黒髪に戻した。解散後ではなく、解散直前。このタイミングには意味があるように思える。
黒髪に戻した事で、最後に自分の好きな様に漫才をするつもりなのだろう。黒髪にして本当の意味でのスパークスということなのだ。解散決定後に公園で一人泣きながら呟いていたネタは、スパークス初めてのネタだから呟いていたわけではなく、真の意味でスパークスのネタだったからなのかもしれない。
元の関係に戻る徳永と神谷
解散という不本意な形とはいえ、本当の自分と客の為に寄せる自分との矛盾問題を解決下徳永は、思いの外スッキリとした気持ちで神谷(波岡一喜)と再会を果たす。神谷もいつもの、むしろ昔の神谷の雰囲気を取り戻していた。前回会った時は、二人とも精神的にムチャクチャだったのに。
神谷がお笑い論を語れば、徳永がそれを聞く。神谷が意味不明のお笑いゲームのルールを作れば、徳永はそれに乗っかり嬉しそうにはしゃぐ。二人は昔の関係に戻っていた。
ついに今夜が最終話。スパークス最後の漫才。解散後の徳永と、芸人以外出来ない神谷の行方。結末が気になりすぎる。原作での衝撃的なラストは、一体どのように表現されるのだろう。
(沢野奈津夫@HEW)