
ティッシュ高騰のニュースを受け、このタイミングで、あえて高価なティッシュを購入し、いつものティッシュと比較してみました。
お馴染み、高級版、1万円…で比較
今回比較する3商品の紹介です。


まずはお馴染み、「クリネックス」のティッシュ(以下『いつものクリネックス』)。
ほんと「いつもの」といった感じです。箱はツルツルの厚紙のような素材です。


お次は、同じく日本製紙クレシアから販売されているティッシュ「クリネックス 至高 極(しこう きわみ)」。2016年4月1日に1箱1,000円(税抜)で発売された高級品です。
こちらは「黒硯/KUROSUZURI」という名のパッケージと、もう1種類「金襴/KINRAN」と題した金色を基調としたパッケージのものが発売されているようです。

調べて知ってお伝えしたいことが山ほどあるのですが、一番ワクワクしたのがこの「極」のロゴについて。
“「極」のロゴのつくりは、最後の一画がティシューボックスになっており、そこから10枚のティシューを取り出したイメージで「極」が表現されています。”(プレスリリースより)
たしかにティッシュボックスだ! でもって「極」の字自体がティッシュペーパーだったとは!

黒と金の色遣いや、そのバランスから高級感が漂います。

箱は紙です。手触りはさらさら、その素材の影響か、重箱みたいに黒光りという感じではありません。

高級なものは余裕と貫禄で多くを語らないと思いきや、箱の底にどえらい量で書いてある!
いやいや、いいですよ、親近感わきました。


“「至高」プロジェクトチームには無くてはならない武田双雲氏の「至高」の二文字をさらに後押しする強力なメンバーとして、「紋章上繪師」 である波戸場承龍・耀次親子が参加し、今日まで息づいている固有の文化である日本の紋様をモチーフに、一線一線を手書きで描き上げる匠の技を融合 させ、世界へ「THE NIPPONのティシュー」を発信したいという思いをデザインに込めました。
ということで、この「至高」の字は、あの武田双雲さん作らしいです。
そして比較するもう一つの高級ティッシュはこちらです。

わ、なんだこれ結婚式でいただくやつみたい!
大昭和紙工産業から販売されている「十二単ティッシュ(以下『十二単』)」という名のティッシュのお値段…1万円(希望小売価格/税込)。
公式サイトによると「数量限定販売」らしいです。

この中にティッシュが入っているという「箱入り箱ティッシュ」なところが1万円。

箱から出した瞬間、線香の香りがしたところが1万円。

箱は和紙(かどうか定かではないけれど和紙っぽい)なところが1万円。

こちらにも「至高 極」同様、説明などが書かれた紙が入っていました。
「いつものクリネックス」
「至高 極」
「十二単」
こちらの3商品を比較していきます。
「ハンカチじゃん!」と驚かせたのは…!?~手触り対決~
まずは肝心の手触りを比較します。
・いつものクリネックス

大きさ:たて188mm×よこ228mm、枚数:360枚(180組)

2枚重ねです。
つるつる感があります。

良い紙と言ったそばからアレですが、アップで見ると薄そうですね。
・至高 極

…触った瞬間、ハンカチ!と思いました。これで鼻をかんだ恋人も「ガーゼ」と言っていました。

大きさ:たて210mm×よこ222mm、枚数:560枚(140組)
ふわふわすべすべ! くしゃっと丸めるのがもったいないというか捨てるのがもったいない!

贅沢すぎる4枚重ね!

「いつものクリネックス」と比べると、4枚重ねだけあって、なんだか見ていて安心します。ずっと触っていると毛布らしさまで感じてきます。その感動か、それまでずっと忘れられなかった、その日あった嫌なことさえ忘れていました。
良くも悪くも、もったいなくて使いづらいです。
約1,000円のティッシュで、このハイクオリティ!
これは1万円のティッシュに期待せずにはいられません!
・十二単

え!色ついてる!

次違う色―!!いちいち驚かしてくる一万単…でなく十二単。

大きさ:たて200mm×よこ210mm、枚数:288枚(144組)

……ですがその手触りは、「断然『至高 極』の方が良い!」と感じたのが正直なところ。こちらはなめらかさはなく、ざらついています。

2枚重ねなのですが…

はがれやすいです。

ただやはり、このきれいな色に非日常を感じます。
“国内では唯一、大昭和紙工にしか表現できない鮮やかな色づかい”(公式サイトより)とのこと。また、ティッシュを取り出すたびに違う色が出てくる点でも楽しめます。
ちなみにこの12色、公式サイトにはそれぞれの色の名前も書いてあります。

断然「至高~極~」が気に入りました。
とはいえ「十二単」は、そのざらつきにも高級さは感じます。「十二単」の公式サイトにも“きめ細かで、やわらかく、上質な肌ざわり”(公式サイトより)と書かれていますが、決して嘘ではないと思えます。
色だけでなく香りまで!?~香り対決~

鼻に持ってくることも多いティッシュ。それがいい香りならば幸せですね。
においを比較します。
・いつものクリネックス
無臭。紙の香り。
・至高 極
同じく。
・十二単
前述のとおり、箱を開けた瞬間に香った「十二単」が大差をつけました。色だけでなく、香りまでついているところが1万円。「~なところが1万円」がまたみつかり、納得の値段と感じます。
箱を開けたときが一番強く香りを感じ、時間が経って、その線香の香りは限りなく薄くなっていました。

紙の色によるにおいの違いはありません。
箱から取り出した直後に、ほのかなお線香の香り、もしくは、良い意味で人の家の香りみたいなのがするのです。取り出してから時間が経ったものは無臭という発見が。しかし一番上のピンク色の紙は、香りが少し残っていました。

「夏場の暑い時期などは、香りが早く薄くなることがあります。」
別紙で入っていた注意事項にはこのように書かれていました。この日、たしかに水分をあまり取らない筆者が、「グリーンダカラ」片手にこの撮影をしていたほどに暑い日でした。気候によっては香りが続くようですね。
香り対決は「十二単」が圧倒的グッジョブ。
次は「仕事」対決です。仕事をこなせるエリートティッシュは誰?
我々の手を守るエリートティッシュは…!?~水拭き拭き対決~

それぞれのティッシュに水を拭き取る仕事をしてもらいます。
・いつものクリネックス

すぐ拭き取れます、10秒前後で。
しかしティッシュに水がしみて手に水がつきます。
・至高 極

さすが4枚重ね!少し多めに水を出してしまったにもかかわらず、手が濡れずに済みました!拭き方によっては手が濡れずに済みます!
・十二単

高級すぎて、普段使い向きではないのかもしれません。
「いつものクリネックス」と同じかそれ以上、手が濡れました。
ちなみに色付きの「十二単」ですが、先ほどの注意事項に、「色落ちしない製法で作られている」と書かれてあります。
日常生活にお役立ちエリートティッシュは「至高 極」という結果に。
君はこのために生まれてきたのか~花作り対決~
子供の頃のパーティーや、「6年生を送る会」のときなどに作ったティッシュの花。あの華やかさを比較します。いかにも一万円の高級ティッシュ「十二単」を勝たせる出来レースのようですが、比較結果はともかく、あの12色の紙で作った花、見てみたくないですか?
・いつものクリネックス
「十二単」に合わせて、他の2商品も12枚ずつ使用しました。

……量多すぎ。

外側、コテで巻き忘れた一部ストレートな髪の毛みたい。

でも上の端が、気品高い花の花びらにも見えるような…?
・至高 極
せっかくなら一枚ずつはがしてボリューミーにしようと思って気づいたことが!

4辺のうち2辺、そのうち一辺が少し強く糊付けされていたのです!丁寧にはがせばはがれる程度ですが。
「いつものクリネックス」も見てみたところ、やはりそうなっていましたが、糊付けの強度は弱いです。
ちなみに「至高 極」は、はがした一枚だけでも、手触りが綿っぽさというか、やわらかさがありました。
慎重に作業を進め(といいつつ、けっこう破けています)…

できたキャベツ…いや、花のつもりです。
・十二単
手触りと水拭きでは「至高 極」の方がグッジョブでした。そろそろ勝ちに行け、「十二単」!


予想以上の見た目の華やかさ! これのためにある商品ではないかというほどではありませんか。
3商品のうち、「十二単」の花を最初に作ったのですが、そのあと作った「いつものクリネックス」では、花びらの部分をはがすときに2枚重ねを1枚としていて、小さい頃もこのように2枚重ねごとはがしていたことを思い出しました。「十二単」は疑いもせず2枚重ねを1枚ずつはがし、24枚で作っていたのです。それほど「十二単」が、はがれやすい2枚重ねだということがわかります。

どちらがコテ巻き忘れで、どちらがキャベツか、わかるものですね。
白いティッシュ同士でも個性が出ます。
エコ&節約戦士は!?~ティッシュ丸める対決~

最後は地球と財布のための対決です。
ゴミを小さくする時代。丸めたティッシュも小さい方がいいです。それこそちりも積もれば山となり、ゴミ袋を買う機会も増えてしまいます。エコと節約の味方はどのティッシュでしょう。3商品それぞれ、丸めたティッシュの大きさを測りました。

3商品すべて、一番幅のあるところをはかります。
クリネックス…約5.1センチ
高級クリネックス…約8.2センチ
十二単…約7.4センチ
最後の最後、「いつものクリネックス」が意地を見せました!サイフに一番優しいティッシュがサイフに一番優しい結果になってよかったです。エリートな「至高 極」はふわっと広がり、縮みには弱い模様。
「いつものクリネックス」にハッとした
全体の感想です。
手触りで一番感動したのは「至高~極~」。全体的にもこちらが一番感動したので、やはりティッシュに一番求めるものは「手触り」なのだと再確認。
「十二単」は、水を拭くなどの日常生活で使う向きではなく、華やかな場面にはもってこい。
「いつものクリネックス」は、思ったよりも「いつものクリネックスだけトホホ…」にならず、手軽に手に入るものが結構良いものだということを知りました。
(武井怜)