第9週「小さな星の、小さな光」第50回 5月30日(火)放送より。
脚本:岡田惠和 演出:田中正

50話はこんな話
会社が倒産、工場も閉鎖と決まり、みね子(有村架純)たちは再就職先を探す。
それでも笑顔で
衝撃の報告から10日ほど。すでに、次の職場に移る人も出てきた。
こんなときに、愛子はネタを繰り出す。
「いつまでも東京の・・・」とみね子にふって、「東京のきれいな“お姉さん”なんだからね」と笑わせる。
みね子は、ネタに付き合わされることをブツブツ言いながらも、こんなときでも変わらず笑顔の愛子をすごいと認めている。
だから、自分たちも、最後の日まで、笑っていようね、と乙女たちは心に決めるのだ。
ムードメーカーはもうひとりいる。
澄子(松本穂香)だ。
彼女もかなり天然で、どんなときでも腹が減るとばかり、食いしん坊ネタで皆を和ませる。
愛子はおそらく、意識的に明るくふるまっているところもあるだろうが、澄子は、完全に天然だろう。
澄子のどんなことにもめげない図太さは、みならうべきところがある。
ばばぬき
時子(佐久間由衣)は、喫茶店で働きながら演技の勉強することになった。
豊子(藤野涼子)は、食品会社へ(面接のやりとりが笑える)。
幸子(小島藤子)は、雄大(井之脇海)と同じ工場へ(ラーメンは幸子がおごっているのだろう)。
みね子と澄子は、せっけん工場に決まる(せっけん工場のひとが、なんかちょっと不安・・・)。
優子(八木優希)は国に帰ることになった。
部屋でばばぬきしている間は、みね子と澄子と優子の進路はまだ決まっていない。
ばば(ジョーカー)を誰が引くのか、どきどきしながらカードを引いている各々の表情が、乙女たちがこれからを心配している心理と重なるようだ。
ついでに、愛子が“ばば”ぬきをいやがる気持ちも、まあ、わかる。
涙の火曜日
川べりに座って語り合う親友・時子とみね子。
これから離れ離れになっても、心はつながったままであろう。
そして、カラダの弱い優子が、再就職を諦めて実家に帰ると報告し、みんな、涙にくれる。
ところで、49話で話題にあげた映画「下町の太陽」では、主人公がせっけん工場で働いている設定だ。
映画のクレジットを眺めていたら、脚本が、山田洋次のほかに不破三雄、音楽が池田正義。三雄(男)に正義、どっかで見た名前である。
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