連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第15週「恋、しちゃったのよ」第86回 7月11日(火)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:渡辺哲也
「ひよっこ」86話。愛子さん(和久井映見)は何しに来た
イラスト/小西りえこ

86話はこんな話


お食事会が終わって、時子(佐久間由衣)だけが残った。いろいろ話しているうちに、しばらくみね子(有村架純)の部屋に泊めてほしいと言い出す。


愛子と高子


「今度愛子さんにも来てもらって」(みね子)と、名前が出た愛子。じつは、すずふり亭の近くまで来ていて、なぜか薬局のいちこの後ろに隠れて、乙女たちを見送った。
それを目撃した高子(佐藤仁美)と愛子、髪型が似ていた(内巻きボブ、カチューシャ)。
外巻きだった愛子はなぜ内巻きにしてしまったのか。高子と丸かぶりではないか。
こうして、今後ふたりは何かしらのライバル関係になるのだろうか? 気になる。

時子と演劇


宗男(峯田和伸)が去ったら、次は、時子があかね荘に。
しばらくみね子の部屋に泊めてほしいという理由が、演劇仕立てで描かれる。
住み込みバイトをやめることになった時子が、先輩のすすめに従ってキャバレーで働くことを選択しないで、少しホッ。
もちろん、キャバレー勤務だって立派なお仕事だけれど、朝ドラでよくある、主人公の友人などが、戦争などで生活に困り、水商売をやらざるを得ないことになる、やや生々しい展開は、これまでの「ひよっこ」の空気にはそぐわないと思ったのだ。

時子と演劇やっている人たちは、劇団アマヤドリの方々。2001年、東大演劇サークルを母体にした、ひょっとこ乱舞(ちょっと「ひよっこ」に字面が似ていますね)という名で活動開始。途中で改名して現在に至る。身体と言葉をイマジネーション豊かに使って見せる演劇を得意としている。
「マッサン」に出ていた成河が、かつて看板俳優として所属していた。

ちなみに、60年代の演劇は、主流だった新劇と、それに対抗する小劇場演劇にだいたい二分される。小劇場活動を行っていた演劇人には、唐十郎、寺山修司、蜷川幸雄などがいた。

時子が島谷を検証


坪内「なんかすごく」
新田「期待はずれやった感じやっちゃね」
予告の最後に使われていた、ふたりのやりとりが、本編を見て、こういう流れだったのかー、と笑った。
「期待はずれ」とはいったい何かと思ったら、時子が、みね子の好きな島谷(竹内涼真)の気持ちを、見ればわかると、島谷に会おうとして、部屋を間違えたときの顔のことだった。

坪内「時子」
新田「って誰だっけ?」
ふたり「ああ〜」

みね子の話で、時子情報をアパートの人たちは皆知っているようだ。
それにしても、みね子、時子への手紙にも、お店のこと、近所のこと、部屋の間取りまで書いて伝えているようで、時子はすべてを「把握して」いた。
みね子の隠し事のなさには、驚きを禁じ得ない。

で、共同炊事場で、晴れて、島谷を見た時子。あとで、みね子とにまにまする。
有村架純と佐久間由衣がほんとうに仲良さそうで、見ているこっちもにまにました。
(木俣冬)
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