2017年6月、お笑いコンビ・インパルスのツッコミ担当堤下敦が睡眠薬を服用したうえで運転を行い、交通事故を起こして謝罪会見を行った。久しぶりにテレビで注目を浴びた機会が謝罪会見、というのはファンにとって非常に残念だったことだろう。


今回は、そんな堤下のこれまでを振り返ってみたい。

最近あまりテレビで見ない……?


テレビでその姿を目にしなくなってから、気づけば数年経っただろうか? かつてバラエティ番組『はねるのトびら』(フジテレビ系)で一斉を風靡したインパルスは、しばらくお茶の間から忘れられていたと言ってもいい。

とは言っても、お笑いファンには周知のようにボケ担当の板倉俊之は作家として活躍するかたわら、ルミネで単独ライブを行うなど精力的に活動を続けている。

板倉の公式ツイッターでもその活躍ぶりは伺えるのだが、一方で堤下はどうだっただろうか? 近年はドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)や『人は見た目が100%』(フジテレビ系)などのドラマ出演で、その健在ぶりを確認した人もいるはずだ。

シュールなコントで一斉を風靡したインパルス


よしもとの養成所・NSCの4期生として出会った板倉俊之と堤下敦がインパルスを結成したのは1998年のこと。同期には森三中やロバートといった優秀なコンビも数多く、彼らとともに2000年代のお笑いブームを牽引していったことは記憶に新しい。

作り込まれたコントでは、板倉の独特のキャラクターと堤下の激しくパワフルなツッコミが冴え渡り、一躍バラエティ番組に不可欠な存在となった。
とくに『はねるのトびら』がゴールデンに進出して以降は、ウッチャンナンチャンの『ウンナン極限ネタバトル! ザ・イロモネア 笑わせたら100万円』での華々しい活躍などが話題を呼ぶ。

板倉のシュールで秀逸なモノボケ、堤下の肉体を生かしたパワープレイの笑い。双方の個性がぶつかりあった唯一無二のコンビとしてお笑い好きを魅了してきた。

森三中との確執も? テレビから姿を消した堤下


その後、相方の板倉は本格的なハードボイルド小説を執筆したことで、かねてより「天才芸人」と呼ばれてた才能をさらに開花させていく。板倉の小説はコミックス化されるなど、現在でもメディアミックス展開をみせている。

一方で、堤下の露出は年々減少傾向にあった。
当初は一般女性に暴言を吐いたことがきっかけで“干された”との憶測を呼んだが、のちに森三中との不和が原因との指摘もされた。
実際に堤下が黒沢かずこに陰湿ないやがらせをしていたことを、大島はテレビ番組で暴露している。
真偽は定かではないが、堤下のイメージを大きく低下させた原因のひとつと言えることは間違いなさそうだ。

パワフルなツッコミをもう一度……


板倉の演じるさまざまな個性豊かなキャラクターとの応酬、そして『はねるのトびら』の数々のコントで見せた堤下のツッコミは、どんなカオスなボケでも一瞬で一蹴してしまうほどのパワフルさが魅力だった。
個人的には、『黒族、ピンクハレルヤ物語』で暴走するバンギャル役の秋山、馬場、梶原らを突き飛ばす激しいシーンが今でも脳裏に焼きついている。また春日局になりきったコントでは、女装姿が意外と板についていたことも懐かしい。

ぽっちゃりした容姿に反する鋭く強いツッコミ。汗を流しながら体当たりで挑むコント。キレキャラでありつつ、いじられキャラとしても愛された堤下。

天才肌で多くのジャンルで活躍する板倉と比較され、本人にしかわからない苦悩というのもあったことだろう。
『はねるのトびら』以降、コンビで揃った姿を見る機会はめっきり減ったが、今後もまた相方板倉のように独自のフィールドで活躍してくれる日をファンは待っている。
(ヤマグチユキコ)

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