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サイゼリヤデートを嫌がる女性は最低?いや、踏み絵をするほうが最低です。【勝部元気のウェブ時評】

サイゼリヤデートを嫌がる女性は最低?いや、踏み絵をするほうが最低です。【勝部元気のウェブ時評】

婚活コンサルを名乗る「ひかりん」という方が、ファミレス「サイゼリヤ」でのデートについて、以下のようにアドバイスしたTwitterの投稿が大きな反響を呼んでいます。



2017年7月26日16時15分時点でリツイートが70,197件、いいねが115,261件であり、賛同者のほうが多いようです。ですが、私としてはアドバイスはむしろ間違いだらけのように思いますし、男女をマッチさせるどころか対立の溝を深めるような視点のように感じました。

男性リード型デートは「恋愛下手」のすること


まず、対等な関係を志していればデートは「一緒に行く」ものですが、ひかりん氏は「連れていきましょう」という言い回しをしています。男性が行先を決めてリードするという、性別役割分担意識に根付いた昔ながらの方法です。もちろんそのようなスタイルを好む人たちが一部にいるのは事実で、やりたい人たちだけで勝手にやっていれば良いのですが、婚活という場で指南することは不適切です。

それに今の時代にはそぐわなくなっている方法だと思います。というのも、食事に対する価値観、生活スタイル、お店の種類等、いろいろな面で社会の多様化が進んでおり、「どのようなお店に行きたいか」「普段どのような食事をしているか」は本当に人それぞれだからです。ですから、しっかりと事前にコミュニケーションを取って、行先を二人で決めたほうが良いに決まっていますし、そうすれば余計なすれ違いも生まなくて済むはずです。

「どこ行きたい?」
「〇〇行きたい~」
「サイゼは?」
「え~デートではちょっと嫌かも」
「分かった」

と、一言二言直接会話すれば済む話ではないでしょうか? それなのにそういうことはせず、「え、こんなところに連れて行くの?」「え、ここを嫌がるの?」という事態になるのは「コミュ障」「恋愛下手」に過ぎません。

確かに価値観の同質性が高く、「デートはここに行け!」という正解があった昭和の時代ならそれでも良かったのかもしれませんが、価値観が多様化している現代ではもはや時代遅れの方法だと思います。ちゃんと聞いて、ちゃんと伝えて、忖度とか余計なこともしないという、当たり前のコミュニケーションができないようでは、自分に合った相手を見つけることすらも不可能です。


1つの反応で相手の内面を判断するのはコミュ障


次に、ひかりん氏は「サイゼリヤで微妙な反応をする女性=おしゃれな私が好き」と見解を述べていますが、そんな判断できるはずがありません。

サイゼリヤでのデートを嫌がる人の中には、「学生がたむろっていてうるさいから」「味が好みではないから」「ファミレスだったら〇〇のほうが好きだから」「ハレ(非日常)の気分を楽しみたいから、雰囲気の良いお店が良い」「屋内完全禁煙の店が良い」等、様々な理由があるはずです。

他に目ぼしい理由が考えられないケースなら疑ってかかるのも分かりますが、特定のお店が嫌だというのはいくらでも理由が考えられることです。勝手に決めつけるのはあまりにナンセンスと言えるでしょう。というよりも相手を見る目が無さ過ぎます。

繰り返しになりますが、単にコミュニケーションを取れば良いだけのこと。質問を繰り返して相手の話を詳しく聞けば、自ずとおしゃれな私に酔いたい人かどうかなんて分かるはずでしょう。そういうことをせずに、1つの反応だけでその人の人間性が判断できるなんて大間違いですし、そういう人がその後良好なパートナーシップを構築できるとは思えません。

コミュニケーション不足は暴力にもなる


それに、人間性が判断できるか否かの問題以前に、直接関係の無い相手の行動や言動から相手の人間性や意思を判断しようという姿勢は、相手を傷付けることにもつながります。

NHKの人気情報番組『あさイチ』で、「2人きりで飲酒=性行為に合意した」と思いこみをしている人が27%もいると明らかになりましたが、構造は全く同じです。日本では恋愛・セックス・結婚に関して「〇〇したら△△だ」「〇〇で相手を見極めろ!」と、相手の内面を勝手に決めつけることがあまりに多過ぎではないでしょうか?

今回のサイゼリヤのケースのように、勝手に相手の人間性を決めつけてみすみす関係を悪化させる自爆行為ならばまだ「コミュ障」「恋愛下手」で済む話ですが、コミュニケーション不足は時と場合により暴力になりえます。性行為の合意に限らず、デートにおけるハラスメントもその典型例ですし、DVでもコミュニケーション不足が関係していることが多々あります。


サイゼリヤを踏み絵に用いる男性


そもそも、ひかりん氏が想定するような男性は、根本的に人としてダメだと思います。それは、「支配できる女性が欲しい」という魂胆が見え見えであるところです。「あなたとならば私はどこでも良い」というような、自分に対する献身性がある女性かどうかを判断するために、サイゼリヤを「踏み絵」として用いているわけですから。

ネット上では、「デートで連れて行かれるお店のレベルによって、男性に踏み絵をさせる女性のほうが最低だ(だからサイゼで踏み絵をすることは正当化されるべき)」という主張をいくつか見かけましたが、どっちもどっち。同類でしょう。どちらもお店を使って相手に踏み絵をさせているのですから。

そのような女性が、「おしゃれな私が好きなお金のかかる子」ならば、サイゼリヤを踏み絵にする男性は「女性を支配する自分が好きな、自己肯定感の弱い子」だと思います。むしろ、とてもお似合いのように思うのです。

本心はラブドールを安く買い叩きたい!?


しかも、「支配できる女性が欲しい」という魂胆だけではなく、「なるべく安く買い叩きたい」という魂胆も見え見えです。

「お金がかかる女は嫌!」
「でも対等な関係も嫌!だって相手を支配できないから!」
「だからサイゼに連れて行ってお金がかからず支配できる女がどうかチェックしよう!」

つまり、彼らの本音は「安く買い叩けるラブドールが欲しい!」ということではないでしょうか?

確かにそれは推測に過ぎず、「金銭感覚の合う女性か否かを知りたいだけだ」という見方もできるかもしれません。でももしそうならば、「金銭感覚の合わない子です」という評価をすれば良いのに、「お金のかかる子です」という評価をしています。まるでモノを手に入れた後の維持費を考えるかのような視点です。

婚活コンサルがゲス男推進という地獄


以上、ひかりん氏の婚活アドバイスの間違いを指摘してきましたが、本当は彼女が指南した通りのことをする男性には婚活市場から退場してもらうか、その魂胆を根っこから叩き直してもらう必要があると思います。このようなロクでもない人が婚活市場に入ってくれば、誰かが被害を受けるだけですから。でも、婚活コンサルが自ら彼らの背中を押してしまうような発言をしているのが、この国の現状なのです。

このような恋愛観・結婚観・女性観(男性観)が社会に根強く残っているうちは、カップル間におけるトラブルや人権侵害が無くならないのも、恋愛や結婚に対して不信感を募らせる人が増えるのも、男性に対する不信感が強い女性が多いのも、当然ではないでしょうか?

以前にもお伝えしましたが、私は現在「対等なパートナーシップの普及推進」を目的としたNPO「パリテパートナーズ 」の立ち上げ準備をしております。この団体は社会に蔓延る古い恋愛観・結婚観・女性観(男性観)をアップデートさせて、フェアで充実した関係の構築をサポートする様々な事業を展開して行きます。嬉しいことに続々と会員希望者も集まっており、遅くとも秋には法人化をする予定です。

今回のサイゼリヤデートに限らず、男性向けでも女性向けでも、世の恋愛指南や婚活指南は本当に間違いだらけです。性別役割分担を押し付けたり、自分の個性を殺すよう呪いをかけたり、パートナーとの良好な関係を崩すようなことを平気で言っています。

もしアドバイザーの話を聞こうという時には、事前にその人がどのようなパートナーシップを理想としているか詳しく調べて、自分の理想とマッチしているか否かを確認することをおすすめしたと思います。
(勝部元気)

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2017年7月26日のスマダン記事

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