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バニラエアも公用車送迎も。ネットで悪意をバラまくのは“地図が読めない男女”【勝部元気のウェブ時評】

バニラエアも公用車送迎も。ネットで悪意をバラまくのは“地図が読めない男女”【勝部元気のウェブ時評】

バニラ・エアが車椅子に乗った男性の乗客に対して、「歩けない人は搭乗させられない」「同行者が抱えることも危険なのでダメ」という社内規定に基づいて搭乗を断ったことから、その男性が這ってタラップをのぼるという出来事が発生。バニラ・エアが謝罪しました。

当然ながら、車椅子に乗った人の搭乗を事実上拒否するルールを設けていたバニラ・エアには批判が殺到。どう考えても理不尽なルールが存在していたこと自体が問題だと思いますし、バニラ・エアの側もその非を認めて、ストレッチャーを導入するという改善に動いたわけです。

それで一件落着と思いきや、その後這い上がった男性に対しても、航空会社に事前連絡していなかったこと等を理由に、インターネット上では「クレーマーだ」「プロ障害者だ」「障害者特権を乱用している」とのバッシングが相次ぎました。あまりに無茶苦茶な罵詈雑言だったため、乙武洋匡氏など、多くの識者から苦言が呈されましたが、当然のことでしょう。


金子政務官の公用車送迎、何が問題なの?


また、金子恵美総務政務官(自民党)が、公用車で子供を保育園に送っていたことを、6月29日発売の『週刊新潮』が「公私混同」と報道したことも大きな話題になりました。一部から「特権濫用だ」という声も出たようで、高市早苗総務相が「(金子氏は)今後はお子さんを公用車に乗せることはしない」という方針を表明しています。

この一連の出来事に対して、「子供を乗せることの何がいけないのか。問題にすることのほうがおかしい」「手間暇かけることが良き母親という文化をいつまで引きずっているのか」「そういう非合理的なことを推奨するから少子化が加速するのだ」のような批判が相次いでいます。「ベビーカー押せば、母親の励みに」とツイートした東国原英夫氏にも批判が殺到しているようですが、当然のことでしょう。

彼女の行為を一般企業従事者で考えるならば、通勤手当を企業から受けている会社員が企業内保育園(もしくは勤務先の近くにある保育園)に預けるために子供と一緒に電車に乗ることと同じだと思うのです。政務官という役職に公用車が必要か否かは別問題として、子供を一緒に乗せることに問題があるようには思いません。

橋下徹元大阪市長もTwitterで意見を述べていましたが、比較すべき対象は一般国民ではなく、あくまで他の政務官であるべきです。子供がいない(もしくは送り迎えをパートナーに丸投げしている)政務官との間で働く環境がアンフェアにならないようにするべきなのに、使用をやめさせたのは完全にミスリードだと思います。

そもそも、「子供はイエではなくて社会で育てるべきだ」というリベラルな思考で考えるのであれば、保育園の送り迎えは本来「私」でなはく「公」の領域で負担するべきことであり、その観点から言えば金子氏の行動は「私」ですらないと思うのです。


なぜ、共助や公助を特権と捉えるのか?


さて、この2つのニュースに共通することは、「特権許すまじ」という人々の声が表に出た点ではないでしょうか? 「皆で等しく不自由を我慢することが美徳であって、たとえ社会的弱者であっても特定の人物に特権を与えるなんて許さない」という鬱屈した人々の心理が根底にあるのだと思います。

今回のケースに限らず、たとえば、「在日特権を許さない!」と声高にヘイトスピーチをバラまく人、女性専用車両を「女性に特権を与える男性差別だ!」と訴える人、生活保護受給者をバッシングする人等、全て「特権許すまじ」という視点が根底にあるものだと思います。このような悪意あるコメントを見ていると、「どうしてこのようなことを言うのだろう…」と呆れてしまう人も多いのはないでしょうか?

その要因は「公正世界仮説」(世界は因果応報で出来ていると考える)という認知バイアスによって、報われない人には何らかの原因や欠陥があるという極端な自己責任論に陥り、共助や公助の仕組みを「特権」のように捉えることが主たる原因だと思うのですが、それに加えて「能力」の問題も非常に大きいのではないかと考えています。

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