8人の子どもたちを育てるママ・Rina(@rina.odekake.trip)さんは、6歳の娘さんであるマリーちゃんがすべて自分の手で作ったというある“作品”をThreadsに投稿しました。
「ドレスのデザイン・生地選び・裁断・縫製まで、ぜーーーーんぶ! 6歳の娘が作ったドレス 我が子ながら、すごい(これは、親バカ大発揮していいよね?)」というコメントとともにアップされたのは、まるでプロが作ったかのような高クオリティなドレスの動画でした。
これを6歳の女の子が一人で作ったなんて、驚き! 白やピンク、イエロー、ブルー、パープルといった淡い色の生地を上手に使い、ボリューム感があるスカートや肩にあしらわれたコサージュも上品で素敵です。
なぜ、この歳でこれほどのスキルを身につけられたのか? そもそも、なぜドレスを作ろうと思ったのか? 気になることだらけなので、ママのRinaさんから話を聞いてみました。
「ドレスを作ろう!」と思い立ったきっかけは謎
――マリーさんが一人でドレスを作りたいと思ったきっかけを教えてください。Rina:きっかけは、マリーが通っているバレエ教室の先生が「プリンセス学校」というお習い事を企画されたことでした。その教室にはいろいろなコースが用意されていて、歌、ダンス、英語、クラフト、フラワーアレンジメント、テーブルマナー、ドレス作りなどがあり、マリーはなぜか「ドレスを作りたい」と即決して。
――なぜか(笑)。
Rina:ドレスを作ったこともないし、ミシンを見たこともないのに「作りたい」って夜中までプレゼンされまして(笑)。途中、プレゼンが途切れたから「もう、寝たのかな」と思ったら、夜中に急に起きだして「ママ、ドレス作りたいねんけど」と念を押されて、「そんなに作りたいの?」みたいな(笑)。
――そのモチベーションの源は?
Rina:おしゃれは好きなんですよね。でも、なぜやりたいと思ったのか私には全然わからないです(笑)。
――6歳の女の子がここまでの技術を身に着けているのも不思議だったのですが、「プリンセス学校」で習ったわけですね。
Rina:はい。レッスンの最後、卒業式を兼ねた発表会が半年後にあるというプログラムだったのですが、マリーは半年ぎりぎりでこのドレスを仕上げました。
――マリーさんが通っていたプリンセス学校の授業は、どのように進んでいったのでしょうか?
Rina:まず、1日目に「こんなドレスを作りたい」という絵を描くと、「じゃあ、こんな形の生地がいるね」「だいたい、これぐらいの生地の幅がいるね」と先生がアドバイスをくれます。そして、2回目のレッスンで先生と一緒に生地を買いに行く。そして、3回目から作り始めます。そんな感じで、計8回のレッスンでドレスを仕上げました。
ほかのお友だちはママも手伝ってくれるから6回目くらいで完成していましたが、マリーは8回通って自力で完成させていました。
挫折感を覚えさせたくないからドレス作りは反対だった
――「ドレスを作りたい」とマリーさんが言ってきたとき、どう思いましたか?Rina:私も夫も反対しました。「できるわけない」って(笑)。
――普通は思いますよね。
Rina:私は妊娠中でちょうどつわりの時期で、入院しそうなほどひどかったんです。
――手伝いたくても手伝えないから、反対してしまった?
Rina:そうです。いつもだったら、「やってみたら」という対応になるんですけど。もちろん、夫は夫でドレスを作れるわけはないし(笑)。だから、「これはマリーががんばって一人でやるしかないよ」と本人には言って。
――ドレスを完成できなかったとしたら幼いうちに挫折感を覚えてしまいそうで、それも怖いですよね。
Rina:ましてや、マリーはなんでも完璧にしないと気が済まない性格なので、そのレベルに行き着かなかったら挫折感を味わうのでは? と思ったんですよね……。
――そんな不安をよそに、彼女は可愛いドレスを作り上げました。わが子の奮闘を見て、ママとして思うところはありましたか?
Rina:普段は「それ、無理じゃない?」ということは言わず、子どもたちがチャレンジしたいと思ったことは「できるかできへんかは別として、やればいいやん」と言うように心がけていました。
改めて、今回みたいな場合もこちらの都合で子どものチャレンジの芽は摘んだらあかんなと思いました。だって、やる気があったマリーは最後までできたから。「できへんやん」と思ってしまうと、そこからはもうできないので。
――周りが無理だと思っても、本人のやる気次第でやり遂げられることもある。
Rina:実際、マリーがドレスを作っているときは「これ、できへんのちゃう?」というワードを私も主人も絶対に使わないようにしていたんです。あのときは手伝うことができなかったから、マリーのモチベーションをいかにキープしておくかが親としての課題でした。
もしも完成しなかったら、それはマリーの挫折になってしまう。それって、教育としてダメじゃないですか。だから、マリーのテンションを上げ、今の彼女の気持ちをキープしてあげる。マイナスなことは一切言わず、「できるんちゃう?」と背中を押そうと心がけました。
――せっかく、本人はスイッチが入っているわけですからね。
Rina:それって、日常生活でもそう。子どもがなにかしようとすると、親は「それ、危ないやろ」と言ってしまいがちだけど、それって子どもの成長の芽を摘んでいることになりかねない。それを、今回はすごく感じました。なぜ危ないかは、子ども自身が気づかないと。「なんでできないのか?」と考えるのって、成長がグイっと上がるところだなと思って。
マリーもドレスを作る過程で「なんでできないんだろう」「なんで生地が言うことを聞かないんだろう」と、すごい考えたと思うんですよね。
――壁にぶち当たることも、本人の成長を考えればいいことだと。
Rina:命に関わること以外は自分で痛い目を見て、「なんでだろう」と考える。その視点は子どものうちにつくってあげてたほうが、やっぱりいいと気づきました。
――経験豊富な親が先回りして制止するのではなく……ということですね。
Rina:はい。それってすごいやりがちなんですけどね。ややしいことをされたら親の仕事も増えるし、子どもが可愛いからこそ制止しそうになる。でも、今回のドレス作りで育児観がすごく変わりました。
ディズニー『おしゃれキャット』のマリーちゃんを意識したドレス
――どんな工程でドレスができ上がったかを改めて教えてください。1回目のレッスンでデザインをして、2回目に生地選びに行き……。Rina:3回目はスカート部分の生地をカットして、縫い合わせました。それがパーツごとに進んでいきます。
Rina:一度、ドレスを作り終えたときにマリーはスカートの裾が気になったらしく、裾にプラスチックの硬い芯を入れたんです。完成形は裾がくりんくりんになっているじゃないですか? それは、生地のなかにプラスチックの芯を入れているからです。
――裾がだら~んとなっていませんね。
Rina:裾にはウエストの4倍くらいの長さの生地を使ったので、芯を入れる作業は集中力が必要で、それはしんどかったと言っていました。
ドレスが完成したとき、娘のテンションはあっさりしていた
――ドレスが完成したとき、マリーちゃんはどんな様子でしたか?Rina:それが、なんかまったく普通で。「終わった」「あ、そうなん?」みたいな(笑)。
――本当ですか(笑)。もう、ミッション達成みたいな?
Rina:「できたよー」って、すごくあっさりしていて。
Rina:シンプルに「すごいな」と思いました。でも、マリーとしては作業をずっと見ていた私たちより、見ていなかった人に褒められるほうがうれしいみたいです。
だから、学校の担任の先生にドレス作りのことを伝えたんですね。その後、先生から「今度、私のスカートを作って」と言われたみたいで、めっちゃ嬉しそうに「そんなん簡単や」って返したらしいです(笑)。
――「そんなん簡単や」と答えられるということは、本人のなかで成功体験として残っているのですね。
Rina:やっぱり、最初にドレスを作ったからスカートやTシャツは簡単に見えるんでしょうね。
――ママの目から見て、マリーさんは服飾の道へ進みそうですか?
Rina:いや、それはなさそうです。でも、次に開催される「プリンセス学校」にも参加をして「もう1回ドレスを作る」と本人は言っています。
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本人ならびに周囲の大人たちが勝手に限界をつくらなかったからこそ完成した、世界で一つだけの自作ドレス。当初は「6歳の子が一人で作ったなんて信じられない!」と思いましたが、ママの話を聞いているうちに6歳の子どもが持つ無限の可能性を再認識しました。
親の関わり方によって、子どもは変わるということ。成長の芽を摘まない育て方を心がけたいものです。
<取材・文/寺西ジャジューカ>
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